柱1本で6000トンもの荷重を支持するCFT柱 |
大成建設は、780ニュートン(N)の鋼材と150Nのコンクリートを組み合わせた国内最高クラスの「超高強度CFT(コンクリート充填鋼管)柱」を開発し、東京都千代田区で施工中の超高層ビルに適用した。このレベルの超高強度CFT柱を超高層建築物に実施工したのは世界初で、大地震でも損傷を受けないという。
広大な無柱空間が実現できる |
CFT柱は1500mm×1500mmの四角い断面で、長さは最大約21m、板厚は50mm。最大軸力は、通常CFT柱の2・3倍となる約480メガNに達し、想定を超えた巨大地震でも建物機能を維持できるとされる強度(100メガN)をはるかに上回る。メーンエントランス部分に計10本採用し、1本で約6000tの荷重を支える。
鋼材強度は一般的なものの約2倍を有し、「建築分野の鋼材では世界最高強度」(JFEスチール)という。780N級では業界初となる箱形断面鋼管の溶接方法も独自に確立した。
大成建設では、300N級などより高強度のコンクリートも開発済みだが、鋼材と限界ひずみ量が同じで、バランスよく最大限の強度を発揮できる150Nのコンクリートを選択。膨張剤と収縮低減剤を加える新たな調合方法を生み出し、自己収縮を半減させることに成功した。
実際の現場作業では、1フロア当たり約1時間で鋼管内部へのコンクリート充填を完了。コンクリートは打設から7、8時間で硬化を始め、3日ほどで7割程度の強度を発現する。2週間近く経つと、最終形として完成する。
また、環境面にもメリットがある。超高強度のため柱を細くし、使う資材量を減らすことが可能だ。通常強度のCFT柱に比べ、1m当たりのCO2排出量は約35%削減できる。
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