2012/07/25

超高層でも室内車庫付住宅を! 森ビルが描く立体緑園都市

森ビルの提唱する「ガレージレジデンス」
理想都市「ヴァーティカルガーデンシティ(立体緑園都市)」構想の実現に向けて--。森ビルは、最新のモビリティーシステムを導入した新しい都市の移動手段を実現すべく、高層ビルの縦移動を快適にして地震時の安心を確保する「Elevator Tower」、地上から高層階までの車移動を実現する「ガレージレジデンス」についてメーカーなどと共同研究・検証を進めている。現在、ハードやソフトの課題、法的な制約などを洗い出し、具体化に向けた検討を重ねており、今後は同社プロジェクトへの導入を検討する。

「Elevator Tower」は、デュアルフレームのトラス構造でタワーを自立させ、周囲の超高層ビルからオイルダンパーで支持することで地震の揺れを効率的に制御。エレベーター機器側でも昇降路内でかごとおもりの走路を分離するなど、被害を低減する工夫を施す。
また印象的な外観のタワーが帰宅困難者のランドマークとなるほか、タワー足元には備蓄・発電施設などを備える災害ステーションを設ける。これらは、横田外装研究室、東芝エレベータとの共同研究となる。

「ガレージレジデンス」は、戸建て住宅のように高層階の住宅から車に乗降できるため、利便性が向上するほか買い物などのプライバシーも確保できる。車を身近に置きつつ都心を一望できる空間が実現する。震災時には、電気自動車の乾電池を利用して自宅に電力を供給することもできる。東芝エレベータ、IHI運搬機械が共同研究者として参画している。

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