ある企業のBIM研修 |
ガイドラインは、▽BIM導入・普及に必要な制度▽BIMデータの扱い▽ライブラリー作成とツール▽BIMと構造設計▽設備設計について▽BIMと積算▽シミュレーションについて▽BIMの作成費用・誰がBIM作成の費用を負担すべきか▽BIMと都市情報▽BIM成果品▽むすび・BIMのこれから--の11章で構成。BIM導入・普及に必要な制度では、設計事務所内の組織体制とともに建築主・設計者・施工者の役割や、プロジェクトの構想段階から完成までの各フェーズで行うべき内容・期待できることなどを解説した。
また、費用負担では、3次元情報の入力は確実に設計業務量の増加をもたらし、「設計料は増えるかもしれない」とする一方で、プロジェクト全体では建設コストや維持管理コストが最適化されるので費用効率は高くなり「設計業務への投資を回収できるはず」とした。
また、BIMの入力作業は施工者やサブコンの支援が不可欠であり「支援について、何らかの方法で対価を支払う仕組みも必要」との考えを提示。
その上で、「最終的には、プロジェクト全体で収益を改善し、その利益を建築主、設計者、施工者、サブコン、メーカーと業務料に応じて公平に分配する必要」があり、そのためには、プロジェクトのコストを明確にする「オープンブック(コスト開示)が必須になる」とし、「BIMの導入は、建設プロジェクトにおける従来のコスト構造の根本的な再検討を示唆している」とした。
「BIMのこれから」として、工事監理と維持管理におけるBIMのあり方や可能性を検討。「BIMにより新たな付加価値を社会に提供することで、設計者の業務範囲を拡大し、より良い社会形成に貢献すること」をBIMの将来として期待感を示している。
藤沼主査は今回のガイドライン作成を「BIMを設計者がどのようにとらえ、今後活用していくべきか、思考のガイドラインになっていると思う。さらには、設計者が建設プロジェクトで果たすべき社会的責任について示唆することも、このガイドラインを作成した意図でもある」としている。
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