2013/09/16

【復興版】相馬の公園に「麦わら帽子の家」 みんなの遊び場プロジェクト

被災地の復興支援に取り組むTポイント・ジャパンが提唱、これに賛同した複数の企業が参画して、福島県相馬市の子どもたちに安心して遊ぶことができる場を提供しようという「みんなの遊び場プロジェクト」が始動した。震災から2年半が経過したいまも災害の影響で自由に屋外で遊ぶことができない子どもたちのために、面積154㎡の屋内型の遊び場を建設する。市内北飯渕・角田公園に2014年2月末に完成する。

 5日に東京都内で開かれた記者会見の席上、立谷秀清相馬市長は「子どもたちが心から安心して動けない中で、市民の声を取り入れた屋内型遊び場を建築・寄贈していただくことに感謝している。市民と力を合わせて、子どもたちや地域住民が親しみやすい施設として運営していきたい」と謝意を表した。
 施設の設計は建築家の伊東豊雄氏と建築家ユニットのクライン・ダイサム・アーキテクツが担当する。コンセプトは「公園の中にある麦わら帽子のような家」。小学校低学年以下を対象としており、柱となる木は登ることが可能で、枝にはブランコなどを設ける案もある。
 伊東氏は震災直後から「みんなの家」プロジェクトに取り組んでおり、自身がかかわった5施設のほか、妹島和世氏や山本理顕氏が手がけたものも含め、岩手県と宮城県で既に8施設が供用済み。岩手県釜石市では、現在も2件のプロジェクトが進行している。今回の「みんなの遊び場」は福島県内では初めてのプロジェクトとなる。
 クライン・ダイサム・アーキテクツのアストリッド・クライン氏は「子どもたちがどんな環境で育てられるかはすごく大事。今回の遊び場もすばらしいものにしていきたい」と意気込み、マーク・ダイサム氏は「走り回って遊びたい子どもにとって安全な屋根付きの遊び場は大切」とこの施設の大切さを語った。
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