キャタピラージャパンは、油圧ショベルの性能や耐久性などを検証する施設に、積極的に投資している。ショベルの開発センターとマザー工場である明石事業所(兵庫県明石市)に近い小野試験場(小野市)は1974年に運用を開始以降、拡張や設備の充実に取り組み、ことし12月には現在の2倍の広さとなる新整備棟が完成する。報道関係者に試験場を初めて公開した。
試験場は明石事業所から車で約1時間の山中にある。竹内紀行社長は、機密保持だけでなく、「壊れるまで動かし、どうすれば壊れるのかを調べるため、24時間動かして騒音や振動が発生する」ことから、人家から離れた場所に開設したと説明する。
ショベルの品質を高めるため、2003年に振動試験設備を新設した。ドアやカバーなど薄板板金構造物、運転室や燃料タンクなどコンポーネントの耐久性を、屋外での実施と同様の試験ができるようになった。
09年にはエンジン・ポンプ耐久試験設備を新設。排ガス規制に対応したエンジン試験やハイブリッド油圧ショベル開発にも活用している。同年には屋外の掘削エリアを従来の3倍に拡大した。開発中のすべてのショベルを同時に掘削試験ができるほか、土質を高精度に管理することで、掘削用の固い地盤などをつくることも可能となった。
米キャタピラーは、製品の評価・試験をするため米国イリノイ州のテクニカルセンター、中国無錫のR&Dセンター、スペインなどに試験場を持っているが、小野試験場は油圧ショベルについて最重要拠点と位置付けている。顧客のニーズの多様化で、試験内容も新たな項目が必要になることから、今後も継続的に設備投資する方針だ。
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