2013/11/08

【新国立競技場】槇文彦氏が文科相に計画見直しを要望

建築家の槇文彦氏は7日、下村博文文部科学相・東京オリンピック・パラリンピック担当相あての「新国立競技場に関する要望書」を、文部科学省スポーツ・青少年局の白間竜一郎スポーツ・青少年企画課長に手渡した。要望書は、競技場の現行計画が進行した場合、都市景観上や安全上、維持管理費用の3つの懸念があると指摘。外苑の森の新競技場が将来世代から称賛されるよう、▽外苑の環境と調和する施設規模と形態▽成熟時代にふさわしい計画内容▽計画内容の詳細を公表する説明責任--の3点を要望した。

 要望書は槇氏を始め、建築家や評論家、社会学者ら25人からなる「要望書発起人」として提出した。
 同日、猪瀬直樹東京都知事あてにも提出したほか、8日には日本スポーツ振興センターの河野一郎理事長にも提出する。
 新国立競技場の建設をめぐる議論は、槇氏が日本建築家協会(JIA)の会誌に論文を投稿し、建設計画やコンペのあり方に疑問を投げ掛けたことを契機に広がり、10月中旬に開かれた建築家有志によるシンポジウムで再検討を求める方針が示されていた。日本建築士会連合会も計画の見直しを求める要望書を提出することを機関決定している。
 新国立競技場は2019年日本開催のラグビーワールドカップ、20年東京五輪の主会場として、現在の国立競技場(新宿区)を収容人数8万人規模で開閉式屋根、一部可動式の観客席を備えたスタジアムに建て替えるもの。総工事費は国際デザイン競技時点で1300億円程度を見込み、選定された英国在住の建築家、ザハ・ハディド氏の斬新なデザインが世界的な耳目を集めた。
 現在、フレームワーク設計業務を日建設計・梓設計・日本設計・オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッドJV、発注者支援業務を山下設計・山下ピー・エム・コンサルタンツ・建設技術研究所JVが担当している。
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