2013/11/27

【新国立競技場】規模2割縮小 本体工事費1413億、総延べ22万㎡

2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場の基本設計条件がまとまった。日本スポーツ振興センター(JSC)が26日に開いた「国立競技場将来構想有識者会議」(委員長・佐藤禎一国際医療福祉大大学院教授)で了承された。施設規模はザハ・ハディド氏のデザイン案を生かしながらコンパクト化し、デザイン競技時より約2割縮小、総延べ約22万5000㎡とした。本体工事は当初より113億円増の1413億円とし、周辺整備や現競技場解体を加えた総工費は1852億円とする。開閉式屋根については、委員から設置を求める意見が相次ぎ必要と結論付けた。使用者の要望を設計に反映させるため、「技術委員会」(仮称)を設置することも決めた。2014年4月から実施設計に入る見通しだ。

 コストや規模など基本設計条件を整理するフレームワーク設計は、日建設計JVが担当。固定席(可動席を含む)で8万人収容などの基本条件をもとに施設規模を見直し、必要諸室の共用化・仮設対応化とともに、秩父宮スポーツ博物館、レストランなど商業施設、ホスピタリティー専用エリアを縮小、駐車場台数も900台から662台に削減した。競技場機能は2万6180㎡、観覧機能を8万5170㎡、スポーツ振興機能1万5050㎡、駐車場3万4800㎡などとし、総延べ床面積は22万4950㎡。これをベースに基本設計に入り、構造計画も検討する。
 また、設計では競技場内の音響性能に加え、コンサート時の周辺への音漏れを抑える遮音性にも配慮する。空調設備は、観客席エリアを対象に座席下吹出方式を検討する。このほか、歩行者デッキ、競技場と一体となった公園の確保などを周辺整備とともに、神宮外苑地区の緑と一体となった景観を目指す。
 建設費は、昨今の建設物価高騰に対応しつつ可能な限り建設コストの縮減に努めるとした。周辺工事費の内訳は、▽サブトラック連絡通路30億円▽人工地盤等266億円▽都営大江戸線との接続11億円▽立体公園39億円▽上下水道幹線移設26億円--の計372億円。現競技場の解体工事費は67億円と見積もった。
 工期は、ラグビーワールドカップ(19年9-10月)の主会場にも使用することを踏まえ、14年7月から既存施設を解体し、本体工事は15年10月に着手、19年3月の完成を予定している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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