福岡県と長崎県に挟まれ、存在感の薄さに悩む佐賀県。その強い思いが結実したPR拠点「FACTORY SAGA」が、東京都港区の南青山にオープンした=写真。東京エリアに住む30代女性を中心ターゲットに、県の特産品や伝統技術を都内企業やショップとコラボレーションしながら県の魅力として発信していく。FACTORY SAGAには県職員が常駐し、コラボ企業との打ち合わせや展示などに取り組む予定だ。
FACTORY SAGAの整備に当たっては同県出身の建築家・馬場正尊氏(Open A代表)が既存ビルのリノベーション設計を担当。ミーティングスペースと職員の執務スペースを一部屋でつなげた特徴的なオフィス空間を完成させた。中央にはオフィス全体を貫く巨大な机があり、壁には天井から床までを覆うホワイトボードと県の特産品を置く棚を設置した。「一緒に考える空間がテーマだった」と馬場氏。アイデアが広がるように「壁一面、机一面を使ってものを考えられるようにした。特に机についてはこの空間に入る最大限の大きさにしている」という。また「いろいろな人が集まって、新しい発想やビジネスを生み出す使命を持った場所。ミーティングだけでなく、セミナーやパーティーなどさまざまな使い方を包み込む場所にしたかった」とも。
オフィスは今月5日から業務を開始しており、既にコラボの初弾企画として女性ファッション雑誌を手掛ける宝島社との協働事業が進んでいる。また県内事業者から25件、全国の企業・団体から48件の問い合わせがあるという。今回のプロジェクトリーダーを務める佐賀県の危機管理・広報課の金子暖氏は「地元だけで盛り上がるのではなく、皆さんと一緒に盛り上がることで情報発信していきたい」と強調する。馬場氏も「佐賀県の魅力は田園風景の中に夕日が沈むような何気ない日常の中にある。日常の良さを見直すことが、これから地方や日本の新しい魅力になるのではないか」と期待を込める。
設計・監理はOpen A、施工は乃村工藝社が担当した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
0 コメント :
コメントを投稿