2013/11/06

【起工】15年3月に供用開始 石和温泉駅の自由通路・駅舎建替


 石和温泉駅自由通路整備及び駅舎建替工事の安全祈願祭が2日、現地で開かれた。設計はジェイアール東日本建築設計事務所、施工は東鉄工業が担当し、新駅舎は2015年3月の供用開始を予定している。神事には関係者24人が出席し、工事の安全を祈願した。
 同工事は山梨県笛吹市から委託を受けた東日本旅客鉄道(JR東日本)八王子支社が発注。現在のJR中央本線・石和温泉駅は、改札口が南口駅舎にしかなく、駅北側には迂回しなければ行けない構造になっているため、駅舎を橋上化するとともに、南北を結ぶ自由通路を新設することで利便性を向上する。

 また、エスカレーター、エレベーターなどのバリアフリー設備も併せて整備する。駅舎の規模はS造2階建て延べ1740㎡、自由通路は長さ109m、幅6m。
 神事では、倉嶋清次笛吹市長と佐藤裕JR東日本執行役員八王子支社長が鍬(くわ)入れ、加藤裕明東鉄工業執行役員八王子支店長が鋤(すき)入れをそれぞれ行った。
 直会(なおらい)であいさつに立った倉嶋市長は「駅は線路によって長期にわたり南北に分断されており、今回の駅舎、自由通路建設は周辺住民の悲願だった。笛吹市の飛躍へのステップとなるべく、工事期間中の安全と素晴らしい駅舎、自由通路の完成を願っている」と述べた。
 佐藤支社長は「新たな駅舎が笛吹市の発展に寄与できるよう、微力ながら貢献したい」、加藤支店長は「大規模な工事で工期が長期間にわたるが、安全で高品質な施工を進めていきたい」と述べた。
 工事場所は山梨県笛吹市石和町松本字山門168-3ほか。 奈良亨工事所長(東鉄工業)の話 「施工に当たっては、利用者の安全、列車運行の安全、作業員の安全をそれぞれ担保しつつ、無事故で工事を進めていく。工事は温泉地・観光地の顔となる駅舎新築とともに、南北を自由通路で結ぶことによる利便性向上を目的としており、高品質な建物の提供を通じて、期待に応えたい」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)


Related Posts:

  • RIAが「蓮の実の空中浮遊」で最優秀に! 中国・青島の世界園芸博モニュメントコンペ  アール・アイ・エーは、2014年に中国・青島市で開かれる世界園芸博のモニュメント国際設計コンペで1等に選ばれた。高さ約65mの展望タワーは、蓮の栽培で有名な博覧会開催地にふさわしく、蓮の実やレンコンの断片が空中に浮遊するイメージとなっている=写真。  同モニュメントの国際コンペは、同博覧会執行委員会が実施した。1段階目の資格審査の後、2段階目で5者が提案した。  同社の提案は、モニュメント建設場所の隣接地に蓮池が並んでいることなどを踏まえ… Read More
  • 金賞は長岡造形大の佐藤さん JIA新潟地域会・学生課題設計コンクール  日本建築家協会(JIA)新潟地域会(塚本久志代表)は3日、新潟市で「学生課題設計コンクール2012新潟県内発表会」を開いた。県内の大学や高校から29作品が出され、制作した学生が会場のJIAメンバーや学生らに作品のコンセプトなどをプレゼンテーションした=写真。  同コンクールは県内の大学や専門学校、高校の建築系学生を対象に、外部に対するプレゼンテーション能力向上を目的に毎年開かれている。7回目となる今回は、新潟市にある新潟大学工学部を会場に、… Read More
  • せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦 『神々の遊舞』が1位に 今泉絵里花さん(東北大)の『神々の遊舞』  建築系学生による国内最大規模の卒業設計コンクールとして知られる、「せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦」。10回目を迎える今回は全国109校から631点の応募登録があり、450作品が提出された。東日本大震災を経てのコンクールとあって、震災復興をテーマとした作品も多く、仙台市内で5日に開かれた最終審査では伊東豊雄氏ら審査員が「震災以後」の建築をめぐる状況を反映した議論を展開。建築に求められるリ… Read More
  • 関西若手建築家の群像 「愛着の深さが建築に価値を生む!」 阿曽芙実建築設計事務所 阿曽 芙実さん 阿曽さん   阿曽芙実(あそ・ふみ)の建築に外観や意匠上のこれといった特徴はない。建築主が求めるものを実現するための設計を常に心掛けるからだ。「視覚的な印象は建築主や周辺環境によって変わる。どれだけ愛着を持ってもらうかが建築の本当の価値。愛されるために、ディテールまで丁寧に設計している」と話す。一貫しているのは、建築そのものが「家族の一員になること」だ。 ◇金沢工業大から小山隆治建築研究所へ  1977年に神戸市で生まれた。小学… Read More
  • 伊東豊雄氏が「合掌造り」の集合住宅! 釜石市の復興計画に提案 伊東氏の「合掌造りの家」模型  東日本大震災で被災した岩手県釜石市の復興計画で、アドバイザーを務めた建築家の伊東豊雄氏は、「斜面の家」や「合掌造りの家」など安全性と共同体を強く意識させる集合住宅を提案、住民から高い評価を得ている。海の近くに住んで漁をしたいという漁師や、隣近所だった人と一緒に住みたいという高齢者などの声に応えるアイデアとデザインが、こうした住民の評価につながった。ほかにも商店街、学校、市役所、桜並木の土手(マウンド)などまち… Read More

0 コメント :

コメントを投稿