覆工板の全国保有量は30万tだが、そのうち60%強が関東・東北に集中している。この2、3カ月で関東地域で稼働率85%、東北でも80%になって在庫の余裕がなくなってきた。重仮設の需要工程は、シートパイル(鋼矢板)-H鋼-覆工板-山留めの順となるが、「東日本大震災で3年前にシートパイルが供給難になり、今は覆工板が品薄。これからは山留めがひっ迫する」(齊藤正男エムオーテック副社長)と覆工板だけでなく山留めに及ぶ可能性もある。
シートパイルの品薄時には、協会が元請けの需要データを集め、名古屋以東の地域から調達し東北に供給するスキームを採用してもらい、需給に対応してきた。ところが覆工板は、メーカーが3社(ジェコス、産業振興、阪和エコスチール)のみで、そうした組織的対応が取れない。またリースの供給会社の保有能力も限界にあり、回収した覆工板も塗装や溶接の加工が必要ですぐには供給できない。
協会では「とにかく窮状を訴える。代替品の転用、盛土など他工法の対応、分割発注、発注者からの買い上げなどを要望する」としているが、これぞという決め手がないのも事実。
「われわれリース業は、余剰仮設を抱えたら経営危機に陥る。いま増大している需要が長期に続くという確信が持てず、先の見極めができないことが企業努力(設備投資)に踏み切れない原因」(秋葉悟丸藤シートパイル専務執行役員)といった声も上がる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
現場からの盗難に気をつけないといけませんね。
返信削除