2013/11/12

【ふくしま未来】送電開始/浮体式洋上風力発電の実証研究事業


 福島県沖の海上に浮かぶ「ふくしま未来」の風車が“復興”の期待を受け力強く回り始めた--。浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業の第1期施設が完成し、11日に運転を開始した=写真。最大出力は2メガワット。1年を通して強い風が見込まれる洋上で生み出した電力は東北電力に売電し、500-600世帯の消費電力を賄えるという。

 同事業の核となる2メガワットダウンウインド型浮体式洋上風力発電設備は、楢葉町の沖合約20㎞、水深約120mの海面にアンカーチェーンで係留。海面から高さ106mに、ローター直径80mの3枚の羽根からなる。送電ケーブル「ライザーケーブル」で世界初の洋上変電所・観測タワー「ふくしま絆」を経由し、海底ケーブルで陸上に送電する。
 同実証研究事業は、経済産業省が東京大学と、丸紅、三井造船、清水建設など10社で構成するコンソーシアムに委託して実施。2014-15年度には、世界最大級の7メガワット浮体式洋上風力発電設備2基を増設し、早期実用化を目指す。
 11日に福島県いわき市の小名浜港で開かれた運転開始式では、同省の赤羽一嘉副大臣と福島県の佐藤雄平知事が風車起動スイッチを押し、送電を開始した。コンソーシアム11者を代表してあいさつした丸紅の宮田裕久執行役員電力・インフラ部門長は「世界でも類を見ない大規模なエネルギー開発を成功させ、福島復興のシンボルとなるよう実証研究を遂行する」と述べた。赤羽副大臣は、「福島を再生可能エネルギー先駆けの地とすることが政府の使命である」とあいさつ。佐藤知事も将来に向けた経済・産業のシンボルとして同事業の進展に期待を示した。

0 コメント :

コメントを投稿