日本海国土軸の一部を担う山陰自動車道路のうち、鳥取県西部の中山・名和道路と名和・淀江道路の工事が、12月21日の開通に向け大詰めを迎えている。急ピッチで舗装工事が進む中、中山・名和道路下市舗装工事(施工=奥村組土木興業)で採用している情報化(ICT)施工が作業の効率化に大きく貢献している。日本建設機械施工協会中国支部が12日に開いた体験型の情報化施工研修会には多くの関係者が集まった。
中山・名和道路は、中国地方整備局が計画を進める鳥取県大山町下市から八重までの長さ4.3㎞の自動車専用道路。このうち、奥村組土木興業が担当する下市舗装工事は大山町殿河内地内~松河原地内の長さ1826mを排水性舗装(2万1720㎡)で施工している。
同社は、全国各地の土工事、舗装工事で情報化施工に豊富な実績を持つ。今回の現場には、▽TS(トータルステーション)を用いたモータグレーダのマシンコントロール(MC)技術▽GNSSを用いた締固め管理技術(タイヤローラ)▽TSによる出来形管理技術(自動追尾型TSによるワンマン計測、管理ソフト内蔵型TSによるツーマン計測)--を採用している。
監理技術者の前田幸孝氏(奥村組土木興業)は「直線道路で線形も緩やかなので情報化施工には最適な現場だ。作業員から作業の効率が上がっているという声も聞かれ、負担軽減に大きく貢献している」と追い込みをかける現場での有効性を強調する。
研修会には、地元建設業者やコンサルタントのほか、鳥取県や中国地方整備局倉吉河川国道事務所の職員など多くの関係者が出席した。現場での実施研修に先立ち、整備局の藤山利人企画部機械施工管理官が「情報化施工技術の最近の動向について」と題して講演した。実施体験では、出席者一人ひとりが機械などに触れ、そのメリットを体感した。
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