2013/11/27

【復興版】震災で堤体決壊の藤沼ダム復旧が着工

ダム周辺の現状
東日本大震災の地震で堤体が決壊し、貯留水が下流地区を襲った福島県須賀川市の藤沼ダム周辺地域災害復旧工事の安全祈願式が25日、同市江花字田向の現地で開かれた。メーンとなる藤沼ダム復旧工事は安藤ハザマ・三栄建設JVの施工で2017年3月の完成を目指す。
 1949年に完成した藤沼ダムは、かんがい用のアースフィルダム。本堤は堤高18.5m、堤頂長は133m。副堤は堤高10.5m、堤頂長72m。

 震災では貯留水が流れ込んだ下流部で8人が死亡・行方不明となったほか、全壊19棟を含め、周辺の建物や水田が大きな被害を受けた。
 復旧に当たっては、耐震性の高い中心遮水型フィルダム形式を採用し、本堤は堤高が31.4m、堤頂長は149m、堤体積23万2000m3。副堤は堤高15.4m、堤頂長86.8m、堤体積4万5000m3とする予定だ。
 神事には畠利行福島県農林水産部長や橋本克也須賀川市長、岩尾守安藤ハザマ常務執行役員東北支店長ら関係者約60人が出席。代表者が神前に玉ぐしをささげ、工事の安全と1日も早い完成を祈った。
 この後、あいさつに立った畠部長は「地域の基幹産業を支えてきた施設であり、観光交流拠点でもあるだけに1日も早く完成させたい」と強調。橋本市長は「国内外から注目される復旧事業だが、どんな自然災害にも耐えて絶対に安心だという施設をつくり上げてほしい」と期待を寄せた。
 これを受けて岩尾支店長は「復興に重要な施設であり、長年培ってきた技術と知識を発揮し、環境保全に配慮しながら無事故・無災害で工事を進めたい」と決意を表した。
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