撮影:阿野太一、コピーライト:軽井沢千住博美術館 |
「The Fall」の展示空間は、「イメージや記憶の中にあり、まるで存在感のない空間」とする千住氏の意図を受け、曲線を多用した地下のような空間としてデザインされた。トンネル状の渡り廊下を通りたどり着く暗い展示室には「The Fall」が展示され、前面に水盤を張り、作品と展示室が一体となった空間を創出している。
この日は、千住氏と西沢氏による対談も実現。千住氏は「美しい。それだけが作家を揺り動かす動機になる。滝からはその美を感じる」と、代表作であり、シリーズとして描き続けている滝への思いを語った。
西沢氏は「トルコ・イスタンブールにある東ローマ帝国時代の遺跡『バジリカ・シスタン』の地下宮殿が、プロジェクトの源泉となった。千住さんには建築家を尊重し、自由に発想する環境を与えてもらえた」と振り返った。
規模は平屋建て326㎡。屋根はノコギリ状に折り曲げた断面とし、屋根自体を梁とすることで大スパンの展示空間を実現。景観としても周囲の建物や山並みと連続するよう計画した。所在地は軽井沢町長倉815の同美術館の敷地内。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月12日
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