2013/06/12

【建築】西沢立衛設計の軽井沢千住博美術館「The Fall room」で内覧会

撮影:阿野太一、コピーライト:軽井沢千住博美術館
軽井沢千住博美術館と国際文化カレッジは4日、軽井沢千住博美術館「The Fall room」のオープン内覧会を長野県軽井沢町の現地で開いた。画家・千住博氏が滝を描き、1995年のヴェネツィア・ビエンナーレで名誉賞を受賞した代表作「The Fall」を常設展示するスペースとして増築したもので、建築家の西沢立衛氏が千住氏の提示した“地下宮殿"をテーマに設計を手掛けた。清水建設が施工を担当した。
 「The Fall」の展示空間は、「イメージや記憶の中にあり、まるで存在感のない空間」とする千住氏の意図を受け、曲線を多用した地下のような空間としてデザインされた。トンネル状の渡り廊下を通りたどり着く暗い展示室には「The Fall」が展示され、前面に水盤を張り、作品と展示室が一体となった空間を創出している。
 この日は、千住氏と西沢氏による対談も実現。千住氏は「美しい。それだけが作家を揺り動かす動機になる。滝からはその美を感じる」と、代表作であり、シリーズとして描き続けている滝への思いを語った。
 西沢氏は「トルコ・イスタンブールにある東ローマ帝国時代の遺跡『バジリカ・シスタン』の地下宮殿が、プロジェクトの源泉となった。千住さんには建築家を尊重し、自由に発想する環境を与えてもらえた」と振り返った。
 規模は平屋建て326㎡。屋根はノコギリ状に折り曲げた断面とし、屋根自体を梁とすることで大スパンの展示空間を実現。景観としても周囲の建物や山並みと連続するよう計画した。所在地は軽井沢町長倉815の同美術館の敷地内。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月12日

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