東日本大震災の復旧・復興工事でひっ迫している生コンクリート用骨材を確保するため、東北地方整備局が管理する七ヶ宿ダム(宮城県七ヶ宿町)に堆積している砂・砂利の採取が開始された。7月初めから宮城県内の生コン工場に供給される。
採取・生産は、七ヶ宿町の梅津輝雄町長が社長を務める第3セクターの七ヶ宿観光開発が担い、5月に東北整備局の認可を受けて準備を進めてきた。七ヶ宿ダム上流の貯砂ダムには3月末時点で約23万m3の砂や砂利が堆積している。サンドポンプで湖底の砂・砂利を浚渫し、ダム湖畔に設置した砂利プラントのトロンメル(選別機械)で洗浄・選別して1日に128m3(砂102m3、砂利28m3)、今年度末までに2万8000m3(砂2万2420m3、砂利5580m3)の骨材を生産する。これは生コンにすると約5万6000m3になり、仙台地域(仙台市、塩竃市、多賀城市)の生コン供給量の約半月分に相当する。
17日に貯砂ダム左岸の七ヶ宿ダム公園で行われた採取開始式では梅津町長と七ヶ宿ダム管理所の南文彦所長がサンドポンプの始動スイッチを押し、作業を開始した。
梅津町長は「下流7市10町の183万人にきれいな水を供給するのが町の使命であり、同時に骨材の供給で下流域の震災復旧・復興に貢献していきたい。今後5年程度は骨材供給を続けたい」と語った。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月19日
0 コメント :
コメントを投稿