2013/06/14

【大規模木造】木質パネルでスパン9.1m実現 ミサワホーム静岡ビル

ミサワホームが静岡市の技術研修所跡地に建設していた「ミサワホーム静岡事務所ビル」が16日に竣工する。木質接着複合パネルを組み合わせるFWS(フューチャー・ウッド・システム)構法の初適用案件となり、梁長9.1mの大空間を実現した。同社は完成を機にニーズが高まる大規模木造建築分野への開拓に乗り出し、公共工事にも積極的に提案する方針だ。

FWS構法は、高強度の木質接着複合パネルをボックス形状に張り合わせた中空構造の柱・梁部材を構造体として組み合わせる。同ビルでは2方向木質ラーメン構造を採用した。工場生産された構造部材を専用金具とボルトを使って接合するため、躯体は約2週間の短期で上棟となった。
 建設地は静岡市駿河区手越367。規模は3階建て延べ2894㎡。設計はミサワホーム総合研究所、施工はテクノエフアンドシー(東京都新宿区)が担当。16日に現地で竣工式が開かれ、7月からミサワホーム静岡の本社ビルとして使われる。
 大規模木造建築のニーズが高まる中で、ミサワホームグループでは民間工事だけでなく、学校や医療福祉施設など公共施設にも積極的に提案する。パネル提供と躯体の建て込みを行う専門工事会社の切り口で市場開拓を狙う。開発担当でもあるミサワホーム総合研究所は「中空構造の効果により、木材の使用量を半分に軽減できるコストメリットは大きい」としている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月14日

Related Posts:

  • 小嶋一浩氏が選んだ「生きるための家」展 東京都美術館で15日から 会見する小嶋委員長と山田さん  東京都美術館(東京都台東区)は15日から、新しい「すまい」の形を展示する「生きるための家」展を開く。開催に先立って開いた記者発表会で、審査委員長を務めた小嶋一浩氏は「家は、敷地やセキュリティーなどを考え『閉じる』ことでつくる。しかし被災地を訪れて、そういったディフェンシブな家をつくっても仕方ないと感じた。今回の展示は、人を閉じ込める家ではなく、居場所をつくる作品となっている」とあいさつした。  同展では、若手… Read More
  • 京都建築大が「山・鉾スケッチ展」開催 7月31日まで 展示予定のスケッチ  京都建築大学校は、31日まで京都市中京区の京都伝統工芸館で、川北英建築設計研究室に所属する学生によるスケッチ展「KASD SKETCH AND DRAWING 2012 祇園祭 山・鉾 全32基スケッチ」を開く。このスケッチ展は、祇園祭に合わせて毎年開いている。3回目となる今回は、祇園祭に巡行される山鉾全32基のスケッチを展示する=写真。  川北英教授は、竹中工務店東京本店設計部プリンシパルアーキテクトで、ギャラリーエ… Read More
  • 災害公営住宅の資格要件見直して JIA東北らが七ヶ浜町長に要望 JIAが提出した要望書  日本建築家協会(JIA)の渡邉宏東北支部長と鈴木弘二宮城地域会長は、宮城県七ヶ浜町の渡邊善夫町長に、災害公営住宅設計候補者選定簡易プロポーザルの参加資格要件の見直しに関する要望書を提出した。  同プロポーザルは、業務対象に小規模な木造戸建て住宅が含まれているものの、「直近10年間、500㎡以上の公共建築について主任技術者として基本設計から実施設計までのプロセス全体にかかわった実績がある者」とする資格要件が設定されて… Read More
  • 木のぬくもり生かした設計 大宇根事務所の横須賀市立諏訪小新校舎 竣工した新校舎  神奈川県横須賀市が建設を進めていた市立諏訪小学校の新校舎が竣工し、10日に建設地の小川町18(敷地面積1万0490㎡)で落成式が開かれた。設計は簡易型QBS(資質評価型)方式で選ばれた大宇根建築設計事務所(東京都町田市)、施工は戸田建設が担当した。新校舎は屋上プールなどの使用を開始。現在、外構工事を進めており、8月末の全体竣工を目指している。 木を生かした教室  式典後には内覧会もあり、席上永妻和子教育長は、東日本… Read More
  • 山本理顕設計工場に決まる 横浜市立大の新付属校舎設計提案競技 自然エネルギーも積極利用する提案  横浜市建築局は、横浜市立大学金沢八景キャンパス再整備に伴う、新付属校舎(仮称)新築工事設計業務委託の公募型プロポーザルを実施した結果、受託候補者を山本理顕設計工場に特定した。月内に契約する。同社の提案は、学生の姿や活動そのものが大学のシンボルとなる「student office」のコンセプトや機能配置が高く評価された。プロポーザルでは、提案書を提出した17者のうち、5者が1次審査を通過した。次点は湯澤建築… Read More

0 コメント :

コメントを投稿