国の登録有形文化財に指定され東京大学のシンボル施設である安田講堂の全面改修の施工者が、清水建設に決まった。東大が、同社と進めていた「東京大学(本郷)講堂改修工事」の不落随意契約協議が成立した。成立協議額は、12億8625万円(税込み)。今後、正式契約する。
工事内容は、RC造地下1階地上5階建て延べ6988㎡の全面改修。講堂部分は小屋組がS造、スラブがRC造となる。建築設計は香山壽夫建築研究所、設備設計は総合設備コンサルタントが担当。改修に伴う電気設備工事は関電工、機械設備工事は日本装芸に決まっている。発注見通しによる全体工期は、約21カ月。工事場所は東京都文京区本郷7-3-1。
同講堂改修工事は、WTO(世界貿易機関)対象として一般競争入札した結果、不落となり、実績要件を緩和するなどして再公告。5月31日に改札した結果、予定価格に達する応札がなかったため両者で不落随意契約の協議を進めていた。予定価格は12億8992万5000円(同)、最低基準価格は11億2562万2948円(同)だった。入札参加資格には、文化財保護法や自治体の条例などに基づく建造物を対象とした建築改修工事の元請実績なども求められていた。
本郷キャンパス内にある安田講堂は、建築家の内田祥三と岸田日出刀が設計、清水組(現清水建設)の施工で、1925年に完成。登録有形文化財のほか、東京建築士会の「20世紀・東京の建築遺産50選」に選ばれている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月13日
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