2013/06/27

【復興版】全長1.3キロの斜張橋に決定 気仙沼湾横断橋の建設

東北地方整備局仙台河川国道事務所は26日、気仙沼地区橋梁技術検討総括委員会(委員長・中沢正利東北学院大教授)を開き、事業促進PPPを導入している三陸沿岸道路気仙沼唐桑工区内に建設する(仮称)気仙沼湾横断橋の概要を固めた。橋梁形式は「鋼3+6径間連続箱桁橋+鋼斜張橋」で、橋長は1344mとなる。整備スケジュールは、用地の取得状況などによるが、復興道路としておおむね10年以内の完成を目指すとしている。
 同橋梁は、復興道路として2011年度に新規事業化した三陸沿岸道路気仙沼~唐桑南間(約9㎞)にある気仙沼湾の海上横断橋梁で、(仮称)気仙沼港インターチェンジ(IC)と大島IC間のほぼ全区間となる予定だ。
 同委員会では、今回決定した形式のほか、▽吊橋+鋼2径間連続箱桁▽鋼3+6径間連続箱桁橋+複合斜張橋▽鋼3+6径間連続箱桁橋+3径間連続トラス橋▽PC3+6径間連続ラーメン箱桁橋+PC斜張橋+PC2径間連結ポストテンションT桁橋▽鋼3+8径間連続箱桁橋+ニールセンローゼ桁橋+鋼3径間連続箱桁橋--の計6案を比較。
 建設と維持管理のコストのほか、点検補修時の通行規制時間や海上部の施工期間が短縮されることや、品質面のリスクが少なく、点検個所へのアクセス性の良さや点検困難個所が少ないことなどを考慮し、「鋼3+6径間連続箱桁橋+鋼斜張橋」が最適であると判断した。
 概要は、気仙沼港IC側の陸上高架区間が鋼3径間連続箱桁橋194mと鋼6径間連続箱桁橋452m。海上横断区間の鋼斜張橋は長さ698m(支間長350m)で、主塔は高さ95m、桁下高は津波や漂流船舶などを考慮し37.8mに設定している。
 朝日地区橋梁予備設計業務は長大が担当した。
 工事場所は宮城県気仙沼市松崎北沢~大浦。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月27日

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