コンピュテーショナルデザインの10年が分かる |
右からバーガー、カステリア、ピータース |
「『ハイテク建築』を建てるため、ビル性能を向上するため有能なツールとして構造技術から始まった」
--英国の事務所におけるコンピュテーショナルデザインの取り組み体制は 「PLPアーキテクチャー、アラップ、フォスター・アンド・パートナーズ、ザハ・ハディド・アーキテクツなど、よく知られた大規模な事務所は専門チームを持つ。他の多くの事務所では、学生や若い実務家がこうしたワークフローを事務所内に広めている」
--日本ではどう始まるか 「より効率的な建築を求める建設会社や、より性能のよいビルを求めるクライアントから変化が始まるのではないか。本当に大切なことは、学生がこうしたタイプのワークフローをボトムアップで学び始めること。ビルを建てる人、所有する人の理解も必要になる」
--今回のSGロンドン大会の到達点は 「コンピュテーションから視線を広げ、現実に存在する物質的なビルトエンバイロメントに目を向けた。コンピューター内の純粋な空間だけではなく、現実世界の問題を扱った」
--今大会テーマ「Uncertainty」について 「考えていた以上に大きい問題。世界は『建築にとって完ぺきだ』と定義していたが、SGで多くのことを学び始め、定義のスコープが広がった」
--SGにおける10年間の到達点は 「10年前には存在しなかったツールに基づいた設計や設計方法に注目する人たちのコミュニティーが発展し、まわりの文化の発展にも役立った」
世界からSGに集まる建築家は、SGで最先端の技術を吸収しようというより、自ら磨いてきた腕を持ち寄り、その進歩に貢献しようと、協力して限界に挑戦している。10年間協賛を続けるベントレー・システムズも、その姿に「次世代テクノロジーの探求をインスパイアされる」(ヒュー・ロバーツ副社長)。
『INSIDE SMARTGEOMETRY』
有名建築に使われ、多くの人の手で進化を続けるコンピュテーショナルデザイン。建築家のブレイディ・ピーターズとテリ・ピーターズは、SGの10年を綴った『INSIDE SMARTGEOMETRY』で、こう述べる。「ノーマンフォスターと同じペンを使っても、すばらしい建物は保証されない。しかし、ペンやドラフターを各自で発明しなければならないとしたら、とても馬鹿げている」
SGの模様は、ホームページ(smartgeometry.org)でも公開されている。(おわり)
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月5日
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