サックスブルーの旗がはためく静岡県磐田市。同市にホームを置く、サッカーJ1ジュビロ磐田のクラブカラーだ。そのホームグラウンド「ヤマハスタジアム」の増改築工事(発注者・ヤマハ発動機)が飛島建設の設計施工で進んでいる。現場を指揮するのは、ジュビロ磐田がJリーグに昇格する際のスタジアム増改築工事に携わった秋葉隆司所長。「20年前は係員として現場で働いていた。これも何かの巡り合わせだろう」と感慨深そうにほほ笑む。その経験が現場では遺憾なく発揮されている。
スタンド改修 |
一方、ホーム側となる南スタンドの増設は、増設部分に位置していたヤマハ発動機の第二事務所など既存建築物を解体後、2月半ばに着工し、現在順調に工事が進んでいる。スタンドは斜めの梁を柱の上に載せるため、「適切に納まるよう、在来工法で行うか、それとも地組みしてから梁を載せるか、PC化して載せるかなどさまざまな施工方法を検討した」という。
20年前のスタンド増改築工事では、「梁を地組みし、全部組んだ状態でつり上げて載せたが、柱に納まらなくて苦労した」。このため、今回は、梁をユニット化して在来工法で組んだ。
グラウンドの芝にコンクリートがらなどが飛散しないよう十分に養生を行い、作業を進めているほか、試合のある土曜日(デーゲーム)と水曜日(ナイター)は現場をクローズし、観客に不安感を与えないよう3mの仮囲いで現場が見えないよう配慮。さらに、約1万人の観客が一斉に来場し、帰って行くため、動線の安全確保にも注意を払っている。
1万5171人を収容するスタジアムのこけら落としは8月3日で、現在の進捗率は72%。「残りの工期を社員、職人が一丸となって安全に施工し、お客さまが満足する建物を提供できるよう頑張っていきたい」と気を引き締める。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月28日
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