2013/06/20

【路面電車】駅ビル敷地で高架化が結論に 広島駅南口広場再整備


 広島市は、広島駅南口広場再整備において、路面電車を駅前大橋ルートとする場合の広場整備案として、「駅ビル敷地を活用して路面電車を高架とする」案=写真=が望ましいと結論付けた。この案では、路面電車を高架で進入させ、駅ビルを改築し敷地を活用して路面電車施設を確保する。これを踏まえ市は、2013年度のできるだけ早期に基本方針をまとめ、次のステップである設計などの事業着手を目指す。


 検討に当たっては、技術的に実現可能な候補として、同案のほか、「現広場内で路面電車を高架とする」「現広場内で路面電車を地下とする」の3案を抽出し比較検討した。
 望ましいとされた案は、路面電車を高架で進入させ、駅ビルを改築しその敷地を活用して路面電車施設を確保する。乗換動線については、路面電車・自由通路を結ぶことが可能な2階レベルのペデストリアンデッキを整備する。試算した事業費は路面電車整備費が100億円、南口広場整備が35億円の計135億円を見込む。
 議論は、▽公共交通機関利用者の利便性向上(交通結節機能の強化)▽広島駅周辺地区の魅力創出(広島の陸の玄関口としての魅力)▽ひとや環境にやさしい空間づくり--の3つの考え方を踏まえ、「路面電車を駅前大橋ルートとした場合と現行ルートを比較し地元に丁寧な説明をすること」「市民の賛同が得られる広場再整備に関する基本方針を早期決定する」「市街地再開発などのさまざまなまちづくりが進展しており、南口広場整備により交通結節機能の強化や地区一帯の回遊性の向上を図る」などの共通認識のもとで進められた。
 3案の比較検討の中で、駅ビル敷地を活用した路面電車高架案は、JRと路面電車、バスの乗換時間が短縮され、交通結節機能向上の観点では最も優れている点やペデストリアンデッキの整備で上下移動の少ない歩行者動線が確保され回遊性向上が可能、事業費が安価などが評価された。また、路面電車施設については、地下構造と異なり、高架構造の整備は景観に配慮する必要性を指摘している。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月20日

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