日刊建設通信新聞社などは24日、生活環境を整えていくことを通じて、少しずつ社会を良くしていく営み「土木」を広く知ってもらうためのインターネット番組ページ「土木チャンネル」を開設しました。番組は、識者や著名人を招いての対談「築土構木の思想」、土木について自由に語ってもらう「土木の思想」などで毎週1回配信します。聞き手は京大大学院教授の藤井聡氏。「築土構木の思想」の第1回、第2回出演者は参議院議員の脇雅史氏です。1回目は一人の土木技術者として土木にかける思いを、2回目(7月1日配信予定)では国会議員として、土木が日本の国の中で果たすべき課題について、国土強靱化を踏まえ語ってもらいます。
脇議員は、土木をめぐる課題として「公共投資の必要性が費用対効果(B/C)ですべて決められていること」だと指摘します。「今後50年、100年、200年の間に、どういうインフラ投資を継続するか、いくら費用をかけていくか、本質的に考えていかなければならない」といいます。
また「インフラに乗るべき上部構造、経済活動や国民の暮らしをどうしていくかということなくして計画はない。上部構造を描いて、その実現のためにどうするかを考える。これまでは、それを丹念にやることを忘れて、部門別に計画を立ててきた。国土強靱化計画は、それをもう一度、全部再構築しようというもの」と計画の位置付けを解説します。
公共事業批判については「いまやっている公共事業は悪いことだから、できるだけ減らすという、誤解と悪意があった。そういう視点でしかインフラを見ることができないのは日本だけ」と語ります。
インフラ計画策定は「日本全体やそれぞれの地域をどうするか。技術者の計画論ではなく、みんなが参画して意見集約し方向性を出すということが必要だ。B/Cは一つの参考要素ではあるが、それだけで判断するのは最悪。技術論は手段であって目的ではない」と強調しています。
最後に、いまの土木の役割について「まっとうな計画論を取り戻す以外にない。どういう世界にしたいか、人々の思いを束ねるが必要で、土木という学問を蔑視するようなことを変えていくというところから始めないといけない。土木が尊敬される分野として位置付けていかないと、この国はダメになる」と警鐘を鳴らしています。
このような議論を継続的に展開する土木チャンネルを、ぜひご覧ください。
土木チャンネル http://doboku-ch.jp
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