太田昭宏国土交通相は12日、東京・新富町の首都高都心環状線の築地川地区を視察した。同省では、首都高速道路の上部空間の「空中権」を活用した周辺の民間都市開発と、首都高の更新費を捻出する検討に着手。その一環として、現地を訪れ、首都高や周辺建物の現状説明を受けた太田国交相は、視察後記者団に対して、「首都高の老朽化対策と空中権を使った都市再生を一緒に行うことは、世界の都市間競争に向けた東京をつくるためにも有効だ」と述べ、空中権利用についても「実現性は十分にある」とした。今後、容積率拡大など民間が参入しやすいプランづくりが重要とし、省内に新たな検討組織を立ち上げるとともに、首都高速道路や東京都など関係機関と協議し早期事業化を目指す姿勢を示した。
太田国交相は、政府が8日に開催した経済財政諮問会議で、社会資本の効果的・効率的な整備として、PPP・PFIによる都市開発と一体となった社会資本整備など、民間の資金などを活用した整備手法を提起。首都高都心環状線の築地川区間周辺をモデルケースとし、民間都市開発と一体となった老朽化対策を進める考えを示している。
具体的には、築地川区間約1㎞を対象に現在の半地下部分をトンネル化し、上部の空中権を周辺の建物に売却する考え。売却益は、首都高の大規模改修費に充てるとともに、周辺の再開発と一体で事業化を目指す。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月13日
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