点群などの最新技術が集まる3次元計測フォーラム「SPAR J」は毎年、参加者数を伸ばし続けてきた。主催者であるスパーポイントリサーチの河村幸二氏は「啓発の段階は終わり、実ビジネスを加速進展すべき段階に入った」と強調する。前年の混雑を踏まえ、6月5、6日に川崎市で開かれた第9回フォーラムは、参加費などのハードルを上げたものの、意欲のある約650人が集まり、熱気にあふれた。
建築での点群データの活用は、改修工事のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や歴史的建造物の記録などから始まっている。SPAR Jでは、点群を効率的にモデル化する技術として、本間里見熊本大准教授は、部位や部材を認識した点群データの処理方法を提案。計測の制約が多い建築設備を3次元スキャンするノウハウとして、新菱冷熱工業はトータルステーションで補足した計測事例を紹介した。
多くの人が詰めかけた展示会場 |
レーザーと写真は、精密さと簡易さなど、用途によって使い分けられている。
写真計測でも、デジカメの2枚以上の画像データを基に、3次元座標を解析する簡易な技術が登場した。クラボウの「Kuraves MD」は、現状の航空写真を3次元化し、他のCADデータを配置できる。CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)設計システムなどを開発している横河技術情報は、製造業の寸法検査などに写真計測技術を提供している。
一方、レーザー計測では、億単位の膨大な点群の処理が課題となっていたが、ベントレー・システムズの「Pointools」など高速表示を可能にするツールが登場。シスプロは、点群データ内をゲームのように歩き回ってレビューできる「Walkinside」を紹介している。
今後も、BIM・CIMに関する建設業界の取り組みや、インフラの高度なメンテナンスに関する河川・道路管理者のニーズの高まりに合わせ、点群技術の進歩と実例に注目が集まりそうだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月26日
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