2013/06/26

【GNSS】無線機で基準局と移動局がデータ通信 西松建設らが空間線量計に適用

西松建設、茨城工業高等専門学校(茨城県ひたちなか市、日下部治校長)は、昨年開発した「空間線量率マッピングシステム」を改良した。測点まで計測者を誘導するナビ画面の画像ファイル上に、計測結果の空間線量率分布を出力可能なマッピング機能を標準装備するとともに、除染作業前後の計測結果から除染効果を示す低減率を直ちに算出できるよう改善。新たにインターネット回線を使わない無線機の活用で計測可能エリアも拡大した。
 空間線量率マッピングシステムは、従来手法に比べて約6分の1に省力化する放射線量計測技術で、西松建設、茨城工業高等専門学校、デジメイト(本社・東京都足立区、広瀬篤社長)が共同開発。RTK(リアルタイムキネマティック法)-GNSS(汎地球測位航法衛生システム)測位を利用した測定点までの高精度ナビゲーション機能により、地上から高さ1cm、50cm、100cmの3測点の空間線量率を計測者1人で同時に測定・記録する。
 今回の改良は、広い範囲にわたる面的除染の効果を直ちに把握し、追加の除染作業の検討など現場へのフィードバックができる体制をつくるのが狙い。空間線量率の低減率を直ちに算出し、別途にCADやGIS(地理情報システム)ソフトなどで分かりやすく表示するため、周辺住民にも迅速に情報提供できる。
 また、携帯電話によるインターネット回線を使った従来のシステムは、携帯電話のサービスエリアから外れている地方ではナビ機能が利用できなかったが、無線機による基準局・移動局間のデータ通信を可能にしたことで計測可能なエリアが拡大した。
 西松建設らは、今後も適宜、システムを見直すとともに、その信頼性、有用性を積極的にアピールしていく。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月26日

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