大林組は、広報誌『季刊大林』54号で、ナノテクノロジーを駆使した空中に浮かぶ建築「FUWWAT(ふわっと)2050」建設構想を発表した。超軽量・高強度のナノマテリアルを活用した膜構造により、建物本体の重量を現在の10分の1とし、それを細いケーブルで吊ることで、従来の概念を超えた未来の建築空間を創造した。
この誌上構想は、社内で編成したプロジェクトチームが挑戦。1ナノmは100万分の1mmという想像を超える小さな世界。そこで生み出されているナノテクノロジーに着目し、セルロースナノファイバーの空気膜とカーボンナノチューブの構造材で構築した建物本体をカーボンナノチューブのワイヤーで吊り、空中に設置、安定させる。
ナノテクノロジーの未来空間にふさわしい斬新な施工方法も立案。建物本体の外装材や構造材に使用する全部材に位置情報を発信するナノタグを印刷し、ナノセンサー付きの施工重機により、工場内で自動化施工する。その後、建物本体にヘリウムガスなどを充填して現地に空中輸送して取り付ける。
多機能・高機能なナノマテリアルの特性を生かし、構造材と設備機能がフィルム状に一体化した空間も創出。カーボンナノチューブのフレームにナノレベルの自動弁による換気機能と必要に応じて自動点滅する有機EL(エレクトロルミネッセンス)の薄膜スポット照明機能などを組み込み、高度な快適性を実現する。
プロジェクトチームのメンバーは、建築本部の葛西秀樹氏、技術本部の渕田安浩氏、原嶋寛氏、藤岡大輔氏、設計本部の江村勝氏、東京本店建築事業部の田辺潔氏、大林デザインパートナーズの金久保友子氏の7人。
季刊大林のHP
http://www.obayashi.co.jp/kikan_obayashi
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年6月7日
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