2014/10/10

【メセナアワード】大賞に建築と文化伝えるギャラリーA4 優秀賞は日本工営

企業メセナ協議会(尾崎元規理事長)は9日、芸術・文化振興による社会創造活動を顕彰する「メセナアワード2014」の選考結果を発表した。メセナ大賞には、竹中工務店東京本店1階で建築を中心とした幅広い企画を展開する、公益財団法人ギャラリーエークワッドが輝き、優秀賞には、日本ケニア友好ソンドゥ・ミリウ公共図書館で読書文化普及の支援活動を行っている日本工営などが選ばれた。

 ギャラリーエークワッドは、建築を取り巻く生活文化をベースに、独自の切り口で文化の多様な考えを提案している点や、消えゆく日本の建築文化を取り上げ、再評価のきっかけづくりに貢献している点が高く評価された。ギャラリーエークワッドの川北英館長は「本当の豊かさ、これからの地球をどうしたらいいのかというメッセージを総勢5人の職員で手作りで発信している。今後も引き続き、ものづくりの楽しさを自分たち自身で楽しみながら活動していく」と受賞を喜んだ。
 優秀賞「ケニアで読みま賞」を受賞した日本工営は、2000年にケニアのソンドゥ・ミリウ地域で水力発電所建設の施工管理業務を行っていた際、当時所長を務めていた迫田至誠コンサルタント海外事業本部グローバル統括部安全担当のもとに、現地の自助会「ヘラ(幸福)婦人会」から支援要請があり、図書館の開設を提案した。開設資金と英語の本の寄付を社内に呼び掛け、事業主の発電会社に工事用の建物の一部を提供してもらい、01年にソンドゥ・ミリア公共図書館が発足。04年には支援金で土地を購入して新図書館を建設した。
 受賞に当たっては、現地団体と直接連携し、現場のニーズに即したきめ細やかな支援を行っている点や、企業と賛同者による団体が連携して継続支援することで読書文化に対する理解促進に寄与している点が評価された。
 迫田氏は「開設当初に図書館を利用した子どもたちは大人になり、現在ケニアの各地で活躍している。彼らは自分の子どもたちに図書館で本を読むという喜びを教えていることでしょう」と支援活動の継続を誓った。
 贈呈式は11月21日、東京都港区のスパイラルホールで開く。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

0 コメント :

コメントを投稿