2014/10/22

【働き方】所長経験8現場目の早坂淳子さん シフトやりくり、夫と連携で育児両立

大学では建築学科で計画系を学び、1989年、長谷工コーポレーションに入社してから、一貫して現場を歩いてきた。いま所長として統括している埼玉県狭山市のマンションで15現場、所長としては8番目の現場となる。自身、この間に現在大学生になる娘を育て上げた。

 「入社して5年目くらいに子どもが生まれました。現場を休んだのは、産前産後の2、3カ月間でしたが、現場単位でシフトをやりくりしてもらい、同じ現場に戻ることができました」
 当時の現場は、工期が2年半ほどある大きな作業所。所員も比較的多く、妊娠中は事務所で図面を書くなどして過ごした。また産後はゼロ歳児保育施設の活用と夫との連携で乗り切った。
 最近の作業所は、職員、事務員、CADオペレーターという最小構成が主流になっていて、なかなか産休の間の人手不足を吸収するのが難しい。だが「会社と相談して、現場単位でもローテーションを組むなど、できることはある」と感じている。
 多くの現場を担当する中で、始めのころは、ほかの職員には名刺を配る業者さんが「わたしだけを飛ばしていって悔しいと思った」こともあった。「職方さんの中には身構える人も」いた。
 入社したのは、男女雇用機会均等法が施行されてから数年後。「いまの担い手3法の盛り上がりと状況は似ていた」という。ただ今は、取り組み方に格段の差がある。
 若手中心でつくっている「なでしこチーム」の取り組みも見ている。「若い人たちにできることは限られるかもしれないが、その行動は、必ず社会を変えていくきっかけになる」と実感を込めて話す。いま早坂所長が着ているのは、女性専用につくられた作業着だ。
 建設業を目指す女性には、「大変だけど、必ずやりがいはある」と伝えている。
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