2014/10/11

【現場の逸品】地すべり監視向けの埋設しやすい小型センサー

大雨による土砂災害が各地で発生し、対策が求められている。地すべりの予兆をとらえる土中センサーは従来、ボーリングなどを伴う大がかりなものだったが、近年のセンサー技術の発展により、簡易に埋設できる高性能な小型センサーが登場してきた。

 パシコ貿易(東京都文京区、松崎公男社長)が9月に発売した米ジュエル社の埋設型2軸傾斜センサー「Model906Little Dipper」は、240mm×39mm、重量も350グラムで設置が簡単。ABS樹脂性で耐冷性や防水性に優れる。計測範囲はプラスマイナス12.5度、最小分解能は0.005度、繰り返し性は0.01度、応答周波数は0.15秒、使用温度はマイナス25度-プラス70度、防水等級は72ポンド/平方インチ。電源は8ボルト-24ボルト、電流は7mmアンペア。太陽電池や無線技術との組み合わせも想定される。
 地震を想定した地盤の監視や、老朽化が問題になっている土木や建築の監視にも使用できる。価格はセンサー部分だけで15万6000円(税別)。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【道路通報】道路管理者の「救世主」に!? アーバングラフィックの「パッ!撮るん。」 相模原市中央区に本社を置くアーバングラフィックは、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る道路通報アプリケーション「パッ!撮るん。」を開発した。相模原市との協働事業で生まれたもので、2015年から同市で運用を開始した。類似技術と比較し、コストの優位性だけでなく、使用・管理者への使い勝手に配慮した仕組みを実現した。管理者に合わせたバージョンアップも可能で、予算、人員に限りのある各道路管理者の「救世主アプリ」となる可能性を秘めている。  新アプリは、… Read More
  • 【水中切断ロボ】桟橋基礎の溶断を無人化可能に! 新潟潜水興業が開発 新潟潜水興業(本社・新潟市、高橋和彦社長)は、遠隔操作式の水中切断ロボットを開発した=写真。桟橋の基礎部分となる鋼管杭などの溶断を無人化することで、可燃性ガスの小爆発による事故を未然に防止する。また、安全性だけでなく、経済性も優れており、港湾構造物の老朽化対策への寄与が期待される。同社ではこの先進技術に対する特許を申請中。将来的にはNETIS(新技術情報提供システム)などへの登録を目指す方針だ。  桟橋撤去工事に伴う鋼管杭の切断は、潜水士… Read More
  • 【技術裏表】南極の自然と「けんかしない」12角形の観測棟 ミサワホーム47年の挑戦 南極昭和基地に建設される基本観測棟の部材生産を担当するミサワホームでは、部材製作の最終段階を迎えている。「けんかをせず、いかに自然と共存できるか」。商品開発本部技術部耐久技術課長の秋元茂氏は、51次越冬隊員の経験を踏まえ、施設づくりの考え方をそう力説する。南極での建物受注が36棟目を数える同社が導き出した基本観測棟のフォルムは12角形であった。  まさに同社は南極昭和基地とともに歩んできた。第10居住棟を受注した1968年(10次越冬隊)… Read More
  • 【メンテロボ】「のぼるくん」の技術で大型ロボ開発 外周18mの橋脚をスムーズに昇降! サーフ・エンジニアリング 神奈川県綾瀬市の綾瀬大橋橋脚部でインフラメンテナンスの実証実験が行われた。市内企業のサーフ・エンジニアリングが開発したガス管等メンテナンスロボット『のぼるくん』の技術をベースに大型化したもので、外周約18mの橋脚を覆うフレーム状の機械が高さ約10mまでスムーズに自動昇降するなどの動作を確認した。当日はカメラを搭載し、外壁の状態を記録した。さまざまな検査機器などとのコラボレーションを想定しており、早期の製品化を目指す。  同橋を管理する綾瀬市… Read More
  • 【鹿島】オペレーターの被ばく軽減対策に 遠隔伐採システム「キッタロー君」 鹿島は、中間貯蔵施設の建設工事の初期段階で発生する大規模な伐採工事による被ばくから作業員を守るため、遠隔伐採システム「キッタロー君」を開発した=写真。重機をリモコン化し、遠隔操作を可能にするとともに、高性能林業機械を導入し、施工時間の短縮を図る。  山林内部は除染が行われていないほか、伐採作業は周囲の森林全体から被ばくするため、作業員の被ばく量低減が重要な課題になっている。 解決策として、コーワテックが開発した汎用重機に搭載し、リモコン化を… Read More

0 コメント :

コメントを投稿