2015/09/07

【現場最前線】過去最長81.2m送り出し完了! 金町・松戸間東京外環小山高架橋新設工事

東鉄工業・鹿島JVは、千葉県松戸市の「金町・松戸間東京外環自動車道小山高架橋新設工事」で支間長81.2mの桁架設(外回り線)を実施した。過去に事例の少ない難しい工事となったが、綿密なシミュレーションを重ね実作業を乗り切った。2月に同道路橋の内回り線の桁架設を実施済みで、全体的な架設作業が完了した。

 現場は常磐快速と緩行線に加え国道6号が横断し、大型重機の作業ヤードが制限されるため、送り出しによる架設工法を採用した。1回で送り出す長さが50mを超える事例は少なく、東鉄工業としても内回り線に続く過去最長の送り出しとなった。
 同工事は、東京外環自動車道路建設事業の一部。東日本高速道路会社が東日本旅客鉄道(JR東日本)東京支社に委託し、同JVが受注した。
 浅野博現場代理人(東鉄工業)は「事前に送り出し装置について各種シミュレーションを行うなどリスク管理を徹底して本番に臨んだ。今後は、構台の撤去作業などもあるため、最後まで気を抜かず安全作業で進めたい」と安全を徹底する姿勢を示した。
 名執豪人工事管理者(同)は「橋脚新設や仮設構台の設置に加え、長大な桁の送り出し作業まで経験できたことは貴重な財産となった。先輩社員や協力会社から教えられることばかりだったが、この経験を生かしたい」と抱負を語った。
 中津康成工事安全専任管理者(同)は「仮設構台の設置作業や桁の送出し装置の各種シミュレーションなど、重要仮設物の点検や重機作業時の注意喚起に心血を注いだ。そのかいがあり、無事桁架設が完了した時は、本当に安堵できた」と振り返った。
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