2012/11/08

【新技術】衝撃音で警告! 高速での逆走防止に衝撃ハンプ

設置されたハンプ
大成ロテックと東日本高速道路東北支社は、振動と衝撃音でドライバーに誤進入を知らせる体感式の逆走警告ハンプ「ウェッジハンプ」を共同開発した=写真。視覚的に注意喚起する大型標識を見落とした場合でも、直接体に訴えることで、重大事故につながる逆走を止める。順行時は衝撃が少なくなるよう形状を工夫、自動二輪車でも安全に走行できる。施工も容易で、即日開放が可能だ。
 高速道路での逆走は、サービスエリアやパーキングエリア、インターチェンジランプ部からの誤進入が主な要因。現在これらの個所には、看板や路面標示を設置して逆走を知らせているが、ドライバーが見落とす可能性は否定できない。
 そこで両社は、視覚以外の方法を組み合わせ、警告効果をさらに高める検討を重ねてきた。開発に当たっては、走行性能や施工性のほか、約10年の耐久性能、十分なすべり抵抗性などに留意した。

ハンプの構造
特に走行性能については、逆走時の警告、順行時のスムーズな運転という2つの性能を確保するため、ドライビングシミュレーターを用いて走行状態を再現しながら、形状と材料を選定した。
 施工手順は、工場製品の超高強度繊維補強コンクリートブロックをアンカーと接着剤で舗装面に固定後、エポキシ樹脂混合物ですり付け、所定の形状に仕上げる。
 ウェッジハンプは試験施工と警察協議を経て、7月に東北自動車道福島松川パーキングエリア下り線オフランプに、第1号を設置した。これまでに、構造体としての支障はなく、道路利用者からの苦情なども一切ないという。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月8日3面

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