NIPPOが制作に全面協力した学習まんが『道づくりのひみつ』が、全国の小学校で長く愛用されている「学研まんがでよくわかるシリーズ」の77作目として発行された。道路の役割や仕事の内容、舗装技術などを網羅的に分かりやすく紹介。道路舗装業界、さらには建設業界全体の将来を見据えた次世代へのアプローチだ。このシリーズは、食品や運輸、情報など各業界を代表するトップ企業が既刊しているが、建設会社が協賛するのは初めて。同社では6月に、「ブランド力向上委員会」を設置。ホームページ(HP)に新サイトも開設するなど外部への情報発信を強化している。
NIPPOがスポンサーとなり、シナリオ作成や資料提供なども担った同書(非売品、15日発行)は、日本PTA全国協議会の推薦図書として、全国の国公私立の小学校と特別支援学校に約2万3500冊、全国の公立図書館に約3000冊を寄贈する。教育支援による社会貢献だけでなく、長期的な業界PRやイメージアップにも役立てる。
対象読者は、社会科で日本の産業を学ぶ小学5年生。道づくりに詳しい「ドクター老土」の案内を受け、男子小学生2人が空を飛んだり、タイムスリップしたり、ジオラマの街を探検するなど、道路に関する冒険を通じて興味を高めていくという内容だ。
合材工場の仕組みや工事機械の種類などを解説するコラムのほか、道路にまつわる87の豆知識も散りばめられ、大人も楽しめる。新入社員教育にも活用していく方針だ。
同委員会のメンバーを中心に、日常業務をこなしながら監修などに当たり、スタートから約8カ月で出版までこぎ着けた。いまでは少ないという手描きの漫画家を選び、機械の向きや作業員の立ち位置など細部にまでこだわるという力の入れようだ。「業界を理解してもらうための形あるツールの一つとして、モデルケースになると自負している」(NIPPO)。
同社は本の発行に合わせ、HPにクイズコーナーなどを設けたキッズサイト「道づくり探検隊」を新設。18日に開かれた社員・家族向けの現場見学会でも、子どもたちに同書をプレゼントし好評を得たという。
HPにはこのほかにも、道路舗装会社の視点から、震災復興への具体的な取り組みをイラスト化して提案するサイトや、明治時代からの道路の歴史や同社の歩みなどを紹介するコーナーも設け、人を惹き付ける工夫を凝らしている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月28日 3面
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