2012/11/09

【受注】鹿島がシンガポールの放送局を260億円で受注 設計は槇事務所

「メディア・コンプレックス新築工事」
鹿島のシンガポール現地法人カジマ・オーバーシーズ・アジア(KOA、小泉博義社長)は、現地企業のティオンセン・コントラクターズとの共同企業体で、同国唯一の地上波放送局であるメディアコープ社の「メディア・コンプレックス新築工事」を受注した。受注額は約260億円。既に着工済みで、2015年6月の完成を目指す。
 このプロジェクトは、シンガポール政府が高付加価値の拠点として開発を主導しているワンノース地区内のメディア産業誘致エリア(メディアポリス)に位置し、劇場やスタジオ、オフィスなどで構成するメディアコープ社の新社屋を建設する。規模はRC・SRC造地下3階地上12階建て延べ12万8400㎡。
 KOAなどは、指名競争入札で受注し、基本設計は槇総合計画事務所、実施設計はDPアーキテクツ社(シンガポール)、構造設計はWEBストラクチャーズ社(同)、設備設計はパーソンズ・ブリンカホフ社(米国)、音響設計はアラップ・シンガポール社(シンガポール)、照明設計はライティング プランナーズ アソシエーツ(東京都渋谷区)が担当。
 完成予定の15年は、シンガポール建国50周年に当たり、8月9日の建国記念日には新社屋で祝賀レセプションを実施するとともに、同年中に新社屋から放送業務を開始する。
 KOAは、シンガポール国内で、超高層オフィスビル、複合リゾート施設、大型半導体工場など建設事業と、オフィスビルや大規模複合施設の開発事業を手掛けている。また、品質、安全、環境の各管理面で数々の受賞歴があり、11年度には日系企業で初めて、建設事業で統率力を発揮した企業を表彰する賞「Built Environment Leadership Award」も受賞。
 今回の受注では、これらの実績、ノウハウ、競争力に加え、日本国内で培った放送局、劇場などの建設・設計に対するノウハウが高く評価された。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月9日3面

Related Posts:

  • ヴェネチア・ビエンナーレに陸前高田の「みんなの家」を出展 陸前高田で建設中の「みんなの家」 29日に始まる第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示に、乾久美子、藤本壮介、平田晃久の若手建築家3氏と写真家の畠山直哉氏が参加する。現在、岩手県陸前高田市で建設中の「みんなの家」と同時並行で進め、この家のプロセスを展示する計画だ。 ◇「これからの世代を担う若手を起用」伊東氏  同建築展の準備が佳境を迎える中、日本館展示のコミッショナーを務める伊東豊雄氏は、東京都港区に設立した伊東建築塾の… Read More
  • 伊東豊雄氏らの東京シンポなど計画 熊本県のアートポリス25周年建築展  熊本県は、「くまもとアートポリス(KAP)建築展2012」の概要を明らかにした。9月8日の東京シンポジウムを皮切りに、25周年記念国際シンポジウム、展覧会、バスツアーなど多彩なイベントを企画している。 KAPは、後世に残すべき優れた建物を造ることで、質の高い生活環境の創造と地域文化の向上を図り、世界に“熊本"を発信することを目的に1988年からスタートした。25年で参加プロジェクトは87件に達した。磯崎新氏、高橋青光一氏に続き、現在は伊東… Read More
  • 建築学会が初めての「デジタルデザイン・コンペ」 建築会館で開かれた審査会 日本建築学会が、2012年技術部門設計競技を開いた=写真。ことしは情報システム技術委員会が主催し、「デジタルデザイン環境によって可能になる建築・都市」をテーマに行った。今回のコンペの特徴は、デジタルデザインを使って、斬新な社会課題を解決することだ。昨今、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)という概念が浸透し、コンピューターの発達とともに、建築機能のアルゴリズムを使った解決も可能となってきた。そこで… Read More
  • 東京芸術劇場 9月1日にリニューアルオープン 一新されたアトリウム 約1年半にわたる改修を終え、東京都の東京芸術劇場が9月1日にリニューアルオープンする。劣化した建物、設備の大規模改修にあわせてホールの音響改善やバリアフリー対応を施し、アトリウムのイメージを一新した。改修設計・監理は松田平田設計(総括)、香山壽夫建築研究所(意匠・劇場協力)などで構成するチームが手掛けた。創造発信型の舞台芸術拠点として、新たな文化を生み出す。 同施設は、建築家の芦原義信の設計で1990年に完成。以来20… Read More
  • 人、自然、建物が調和する空間創造 獨協大学が建設する「学生センター」 学生センターの完成予想 獨協大学(埼玉県草加市)は9月末の竣工を目指し、同市学園町の大学敷地内に「学生センター」の建設を進めている。人と自然と建物が調和する空間を創造する同施設は、「獨協さくら橋から始まるプロムナード正面にあり、現在進行中の『埼玉県水辺再生100プラン事業』による伝右(でんう)川親水護岸工事の完成と相まって、キャンパス最前線に位置する大学のシンボルになるものと期待される」(犬井正学長)。基本設計を石本建築事務所、実施設計と施… Read More

0 コメント :

コメントを投稿