2012/11/28

【リニア】建設業の27.6%が「大いに期待」と答える 中津川市の企業調査


 岐阜県中津川市は、市民や市内事業所を対象に実施したリニアを生かしたまちづくりに向けたアンケートの結果(速報値)をまとめた。企業アンケートでは、同市内にリニア駅と車両基地ができることの期待度を尋ねたところ、「大いに期待している」(21.0%)と「期待している」(33.2%)と答えた企業が53.2%と半数を超えた。業種別にみると「大いに期待している」は、建設業が27.6%で最多だった。

 また、リニア開業による影響を各業種に質問。「プラスの影響が大きい」と答えたのは不動産業が37.6%と最も多く、次いで、建設業が33.1%、飲食・宿泊業が28.9%となった。一方、「影響を受けない」「プラスでない影響がある」との回答は、農林水産業が44.1%と最多で、運輸業が30.0%、卸売・小売業が28.8%と続いた。
 リニア開業により市に期待する施設・機能については、「先進医療機関」が39.0%と最も多く、次いで「レジャー・観光施設」(36.0%)、「企業の生産機能(工場)」(32.7%)となる。建設業のみをみると「国の行政機能」(23.6%)がトップで、次いで「企業の本社機能」(22.4%)。
 リニア駅周辺のまちづくりの方向性に対する設問では、「リニア駅前広場などの交通拠点として必要な開発にとどめ、中津川駅周辺の中心市街地との役割分担を図っていく」が48.4%、「リニア駅周辺で商業施設や住宅地などの開発を広範囲に積極的に行い、新市街地を形成していく」は43.5%となっている。
 市民アンケートの自由回答では、国道257、256の拡張を含む整備が急務など、道路整備に関する声が多く寄せられた。
 市民・企業アンケート結果は、同市リニアのまちづくりビジョン策定委員会の第3回会合で示された。両アンケートは9月に郵送で実施。市民アンケートは市内在住の15歳以上の2000人、企業アンケートは中津川商工会議所、中津川北商工会の全会員事業所2917社を対象に実施。回収率は、市民アンケートが44.3%、企業アンケートが38.2%だった。
 東海旅客鉄道(JR東海)が推進するリニア中央新幹線(東京~名古屋)は、2027年の開業を目指しており、岐阜県内では、同市西部の美乃坂本駅付近に新駅を設ける予定になっている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月28日 7面

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