2012/11/29

【復興版】福島~相馬の霊山道路が起工 東北地方整備局

現地で行われた起工式
東北地方整備局が復興支援道路の一環として整備する、国道115号相馬福島道路の「霊山道路」の起工式が27日、福島県伊達市の現地で開かれた。福島市と沿岸部の相馬市を結ぶ相馬福島道路は計画総延長が約45㎞。今回着工した霊山道路は、伊達市霊山町石田から同町下小国に至る長さ約11㎞で、区間内には七ツ窪トンネルなどトンネル7カ所と、月舘高架橋など8カ所の橋梁などが整備される。
 国道115号は、自然災害や積雪による交通機能の寸断がたびたび起きており、定時性と速達性を確保するため、同局では08年度から事業に着手。11年2月に用地補償説明会を開くなど早期着工に向けて取り組んできた。
 同年3月の東日本大震災を受け、沿岸部の復興支援に伴い交通量が増大。緊急輸送路としての信頼性の向上などを図るため、復興支援道路に位置付けられたことで、事業執行のスピードが一層早まっている。
 この日の神事には、関係者約40人が出席。あいさつに立った仁志田昇司伊達市長は「震災時に孤立した相双地域と内陸を結ぶ唯一の緊急輸送路として、重要性はますます高まっている。伊達地域の活性化への起爆剤としても期待したい」と語った。同整備局の川瀧弘之道路部長も「除染などの課題もあるが、1日も早い完成に向け、加速して事業を進めたい」と力を込めた。この後、関係者が鍬(くわ)入れを行い、早期の完成を祈った。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月29日9面

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