利益率は高かった建機(写真と本文は関係ありません) |
B ゼネコンの業績修正は第2四半期の修正が大半だけど、中には通期予想を修正した会社もある。
C 総じて下方修正が多い。当初見込んでいた震災復旧・復興工事などの遅れが主な原因だ。一方、気になる利益面をみると、土木と建築で明暗を分けた形で、特に建築部門での採算悪化にあえぐゼネコンが多い。
B 鉄筋や型枠などの職種で技能者不足や労務費の上昇が深刻になってきた。このコストアップも利益を圧迫する要因の一つ。業績修正の発表では、下方修正の理由について「労務費の上昇など」と明記している資料もある。
D 採算面の懸念からマンション工事の受注を抑制する方針を打ち出しているゼネコンも出ている。
C 一方、土木が主体の企業では上方修正の動きが複数ある。もちろん建築主体で上方修正した会社もあるのだが。
B 為替差損や株式評価損の計上も多い。これらはコントロールしにくいリスクで、本業の現場ではギリギリの利益率でやりくりしていることを考えると、やるせない気持ちになるね。
D 対照的に道路舗装会社は上場8社すべてが業績予想を上方修正し、いずれも売上高、利益とも当初予想を上回る勢いだ。前年同期に比べても増加傾向が鮮明になっている。中間期時点で純利益を確保する企業も出てきている。
◇建機、営業利益率は高水準
A ゼネコンは震災関連工事が遅れて苦労しているようだけど、舗装会社は影響ないの?
D 復興のためには人や物資を運ぶ道路が極めて重要な役割を果たす。そのため優先度が高いのか、工事は比較的順調に進捗しているようだ。現場が東北ということもあり、高速道路では雪が降る冬季までに完成させるべく、復旧工事が進められている。ただ原材料のストレートアスファルトの価格が上昇局面にあり、労務費の高騰なども利益面への影響が懸念されている。東北地方以外の工事発注が遅れているという指摘もある。
E 設備工事業は10月末から電力系やメーカー系の設備会社の発表が本格化し、空調大手6社が9日出そろう。この間、業績修正の発表も相次いだ。各社、決算内容や業績の修正内容はまだら模様だが、おしなべて損益は改善しているようだ。
C ゼネコンもそうだが、業績予想の修正理由に上半期の工事進捗を挙げる企業もある。修正内容は明暗を分けているが、聞くと工事の完成が期初だったのか、今第2四半期だったのかで売り上げや利益率に差があるという。
B 確かに期初は前期の期ズレの工事もあるだろうし、同じ工事進捗を理由に挙げても内容は異なるだろうね。
A 尖閣諸島の問題でメーカーは中国で苦戦しているようだが建設機械は大丈夫なの。
F 工事が減少しているので販売量は確かに落ちているが、日本製品だからといって不買運動は起きていないという。趣味で買うものと仕事で必要なものとは明確に区別しているようだ。
G 国内トップのコマツは減収減益だったが、円高の上、中国の売り上げが45%減ったにもかかわらず、売上高営業利益率は12・0%で2桁を維持している。この秘訣として野路國夫社長は、「売り上げは10年前の2倍になったが、固定費は3000億円程度であまり変わっていない」ことを挙げていた。利益率が高い鉱山用の大型機械が伸びているなど他にも要因はあるが、コスト削減や商品価値向上といった不断の経営努力のたまものだろう。
A 9日発表のピークとともに、来週出そろう各企業の決算内容は目が離せないところだね。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!) 2012年11月9日14面
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