東鉄工業は、2014年度の開業を目指して工事が大詰めを迎えている北陸新幹線長野~金沢区間のうち、長野~黒部宇奈月温泉駅(予定)の約120㎞区間で、開業後の安全運行を支えるレール削正工事を鋭意進めている。
現場では、同社糸魚川軌道工事所(兼飯山軌道工事所)の鈴木好司副所長が、東北新幹線盛岡以北の延伸から今回の工事まで継続してレール削正に従事してきたスペシャリストとして、0.01mm単位の削正に「匠の技」を遺憾なく発揮している。
レール削正は通常、列車走行で発生するレール傷や波状摩耗の除去などを目的に実施されるが、新設レールについては表面層を削正することで、表面傷の抑制、レール・車輪間の電気の流れを円滑にするなどの効果が見込める。
削正に当たっては、削正装置の状態を確認するモニターを使い仕上がり状態に格段の注意を払っている。また、オペレーターや地上作業班と打ち合わせを密にすることで現場やレール削正車の状況を常に把握した工程調整にも余念がない。
鈴木副所長は、「試験列車が走る前にレールを削正することは、今後の北陸新幹線の運営に大きな影響を与えるので、緊張もするが、仕事冥利(みょうり)に尽きる」と意気込み、13年度末以降の列車試験走行に備え、細心の注意を払いながら工事に取り組んでいる。
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