東日本旅客鉄道(JR東日本)横浜支社が首都直下型地震対策の一環として進める、「JR京浜東北線鶴見~新子安間盛土耐震補強工事」が東鉄工業・清水建設JVの施工で始まった。盛り土表面に約3000㎡の吹きつけ「のり枠」を形成し、長さ3.5mの棒状アンカー約350本を地山に打ち込んで固定する。JR横浜支社管内で盛り土を対象とした耐震補強は保土ヶ谷~東戸塚間に次いで2カ所目。工期は2014年3月まで。
耐震補強の対策延長は線路の左右合わせて約920m。盛り土表面に約2.5m四方の格子状にモルタルを吹き付けた「のり枠」を形成し、交点に径28mm、長さ3.5mの鋼製棒状アンカーを打ち込んで固定する。
モルタルプラントから作業場所まで400m以上も離れているため、長距離圧送を可能にした「ユニラップ工法」を採用する。
◇営業線に囲まれた敷地
鶴見方は、北行線側を横須賀線、南行線側を東海道線に挟まれ、鶴見方端部を貨物線が地下トンネルで横断する。新子安方は、東海道線、貨物線、京浜急行線に挟まれ、すべての作業場所が線路横断をしなければ立ち入ることができない。また、周囲は住宅密集地で騒音対策も不可欠となっている。
難易度が高い工事の担当として抜擢された、酒谷直行現場所長(東鉄工業)は「施工計画段階から、厳しく特殊な工事条件を見極め、作業場所への立ち入りや昼間作業における営業線路への安全管理、周辺住民への騒音振動対策などを綿密に練り上げてきた」と万全の体制で臨む。
施工に当たっては、「少しでもリスクを低減し、周囲に安心を与えられるような安全作業に取り組みたい」とし、発注者、JVの支店や本社とコミュニケーションを取りながら無事故での完成を目指す。
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