安藤ハザマは、短期間、低コストで容易に設置が可能な放射線遮へい容器「L-box」を川上産業、ユニチカと共同開発した。L字型の軽量な樹脂製の箱に土砂を入れ、放射性物質が付着した土壌や草木が入ったフレコンバッグなどを囲むことで、放射性廃棄物から出される放射線量を遮へいする。確認実験では、放射性廃棄物からの線量率を約3分の1にまで低減することを確認した。
除染作業で発生したセシウムなどの放射性物質が付着した土壌や草木の放射性廃棄物は、地方自治体が設置する仮置場などで保管されるが、仮置きに当たっては放射線量の影響を考慮した遮へい措置が必要になる。
通常の放射線の遮へいでは地下埋設もしくはコンクリート製の容器に入れるなどの方法があるが、開発したL-boxは、これらと同等の遮へい性能がある。軽量な樹脂の特性を生かすことで運搬や設置も容易になり、仮置場への運搬前の一時的な保管などにも活用できる。
放射性セシウムから放出される放射線のガンマ線は通常の土やコンクリートでも遮へいでき、厚さ30cmの覆土で放射線線量当量率を約40分の1、15cmのコンクリート壁で約10分の1に減衰できる。
L-boxは、土の持つ遮へい性能に着目し、放射性廃棄物を安全に保管する容器として、川上産業の「樹脂製軽量合成板プラパール」とユニチカの放射線遮へい防水シートを組み合わせて開発した。
確認実験では囲んだ箱の中に土砂を入れることで、放射性廃棄物からの線量率(1マイクロシーベルト/時前後)を、敷地内における空間線量率(0.3マイクロシーベルト時前後)までに低減させ、有効性を確認した。
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