オートデスクの製品を使って導入支援する |
防災シミュレーションを提供する同社にとっては、公共工事での3次元モデルデータ活用が進めば「本業の解析業務にも生かせる」との期待がある。ジェイアール東日本コンサルタンツ、八千代エンジニヤリング、奥村組の3社が2009年に立ち上げた「三次元配筋支援システム研究会」の事務局を務めるなど、これまで裏方として活動してきた。
◇土木系でもBIMは来る
「研究会の発足当時は、建築生産の新たな概念としてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)に脚光が当たり始めていたが、将来的には土木分野でも3次元化の流れが高まるとの期待があった」。実際にCIM試行が始まったが、現時点ではまだ手探り状態の企業がほとんどだ。同社は導入支援プログラムによって「何から手を付けていいのか分からない」悩みに応えていく。
具体的には、オートデスクのCIM関連ソフトをひとまとめにしたパッケージ製品『インフラストラクチャ・デザイン・スイート』(税別価格169万4000円)に加え、モデル作成の体験学習セミナー(同30万円)と3次元土木パーツ(同30万円)を合わせて計200万円で提供する。ハードとソフトの両面からサポートするプランだ。
セミナーも開催 |
◇業界初のパーツ提供
中でも3次元土木パーツの提供は業界初の試みだ。3次元設計には部材などのパーツデータ(ファミリ)が不可欠だが、設計者自らが作成するのは大きな手間になる。同社は重仮設メーカーのヒロセから部材情報の提供を受け、それを3次元モデル化し、さらにコストや数量の算出を目的とした属性の設定も行った。既に200を超える資材のモデル化を完了済み。国交省のCIM試行は2013年度から施工段階に入る。古川グループ長は「ぜひ使い勝手を試してほしい」と呼び掛ける。
予想以上に依頼が増えているのは、体験学習セミナーの開催だ。既に建設コンサルタントを中心に5社への訪問を終えた。5人程度の少人数制だが、現況地形モデルの生成から土地造成、概略設計、合意形成までの一連の流れを1日で集中的に学習できる。「3次元設計のオペレーターは少ないだけに、人材育成を求めるニーズは高い」。CIM試行の拡大を背景に、同社の支援サービスにも忙しさが見え始めている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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