2013/09/21

【メタボリズム】香川で「坂出人工土地」の模型発見 丹下健三展に追加公開

発見された模型
空中都市と称され、その独特な空間性から、最近では建築やアートの世界で注目を集めている建造物「坂出人工土地」(香川県坂出市)の模型が新たに発見された=写真。香川県は「極めて貴重な資料と評価できる」としており、23日まで同県立ミュージアムで開かれている「丹下健三-伝統と創造・瀬戸内から世界へ」展に追加出展した。

 「坂出人工土地」は同市京町1.2haに位置している。市民ホールと商店街、駐車場の上に人工地盤を築き、その上に集合住宅や公園を整備しているユニークな建造物。1968年の第1期完成を皮切りに、86年の第4期完成まで事業が行われた。
 建築家・丹下建三氏の協力者である浅田孝氏が中心となり構想され、建築運動「メタボリズム」を提唱した大高正人氏が主宰する大高正人建築設計事務所が設計を担当した。人工土地は、全国各地で構想されたが、実現したのは坂出市のみとなっている。 
 今回発見された模型は、香川県から所在確認の問い合わせを受けた坂出市が捜索、発見した。模型は、これまで2種類の存在が知られていたが、国外流出や所在不明となっており、今回の模型は2種類以外の模型となる。
 人工土地の最初期案の模型であることや、実現しなかったオリジナルの構想が見受けられ、貴重な資料となっている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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