クリックで拡大 |
◇秒速2.5メートル
JR線の営業が終わった午前1時55分、保線関係者によってき電停止が確認され、緑色の手延べ桁と後続する本設桁がゆっくりと滑り出した。そのスピードは分速2.5m。目で見ていてもはっきりと分かる速さで、巨大な構造物が前進した。施工を担当する鹿島JVから85人、JR関係者30人を始め、多くの見学者が見守る中、桁は2時20分に橋脚へと到達した。
この工事は、横浜環状北線鉄道交差部新設工事で、第三京浜の港北ジャンクション(JCT)方向より横羽線の生麦JCTに向けて掘り進められているシールドトンネルの出口から、すぐに高架橋形式に切り替わる部分だ。
山腹のトンネル出口に構台を設け、わずかなスペースで桁を製作し、鉄道営業線をまたいで送り出し架設するという難易度の高い工事となる。
◇鬼のような立体交差
またぐのはJR6線だけでなく、隣接する京浜急行線2線、国道15号、JR東海道貨物線2線も含まれる。
さらに交差する桁の数は、本線2本、ランプ桁3本、街路桁2本の計7本に及ぶ。そのすべてが鉄道直上となるため、本線の2本を縦方向に繰り延べる送り出し架設とし、ランプなどの桁は本線を使って横方向に架設する計画とした。
ことし2月、本線外回り桁を初めて送り出し架設し、無事成功させていたが、今回は内回りの桁を京浜急行線の手前の橋脚まで送り出した。
送り出し作業は3列の走行台車で行うが、桁が曲線のため、外側と内側をインバーター制御の台車でスピード制御するという難しい作業となった。
今後この桁は、来年の8月ごろを目標に架設完了させる。全体工期は2016年秋となる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
0 コメント :
コメントを投稿