2013/10/03

【復興版】WEB情報館で復興を「見える化」 3県131ヵ所の進捗が一目で

サイトに掲載されている事業カルテ
復興庁は、復旧・復興事業の進捗状況を一元的に閲覧できるウェブサイト「つちおと情報館」の運用を始めた。復興の状況を地区ごとに把握できるよう、地図情報に防災集団移転促進事業や堤防復旧事業といった事業とその工程表を落とし込んだ「復興まちづくり事業カルテ」を掲載している。
 岩手、宮城、福島の被災3県の計131カ所について情報を公表している。順次拡大していく予定だ。被災者に事業の進み具合を分かりやすくするのが主な狙い。工事などを進める事業者にとっても情報を共有でき、復興の加速化を進めるツールになりそうだ。


サイトでは、写真付きで復興状況を閲覧できる
ウェブサイト(http://www.reconstruction.go.jp/portal/juutaku_koukyou/index.html)では、被災3県の市町村のうち、面的整備事業や災害公営住宅の計画がある地区ごとに、事業の概要や進捗予定をまとめた工程表、その地区で進められている事業を示した地図情報などを掲載。都市再生機構が参画している地区では、機構による支援状況なども合わせて示したほか、地区の整備状況が分かるよう定点観測した画像を時系列で並べていく予定だ。
 掲載する事業は、防災集団移転促進や災害公営住宅整備、漁業集落防災機能強化、道路・街路、河川、海岸、農地整備など14事業。それぞれの事業について、今後の建設着手時期や住宅戸数、完了時期などをまとめた工程表を示している。
 例えば、宮城県南三陸町の志津川地区は、志津川中央地区17.4haで津波復興拠点整備事業を実施する工程表が記載され、176戸の災害公営住宅の建設に2014年度下期にも着手する予定が示されている。地図上では、町による公立南三陸病院の建設や、県による志津川漁港岸壁・護岸復旧、国による国道45号線の整備といった事業が完成時期とともに記された。
 都市計画決定した土地区画整理事業や今後土地利用を検討する地区も表示し、将来の事業も見据えられるようになっている。
 合わせて、道路や港湾などの公共インフラの整備についても工程表などを示し、事業の周知につなげる。岩手県内の三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路、宮城県内の仙台塩釜港や仙台市の南蒲生浄化センター、福島県内の福島相馬道路などの事業計画や今後の予定をまとめている。
 復興庁では、事業主体が異なるケースでも一元的に情報を共有できることが復興の加速化につながるとして、関係機関からもホームページに接続できるようにする。被災3県の県や市町村、東北地方整備局、都市再生機構などと連携することにし、共有できるサイトについては「まるふくマーク」と呼ばれる目印をつけて見つけやすくすることで、復旧・復興に関する情報であることをアピールする。
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