2013/10/18

【現場最前線】木製柱使ったハイブリッド構造 高知県四万十町新庁舎

完成予想
高知県の西南部に位置する四万十町。同町発注の新庁舎建設工事が着々と進む。JRの線路をまたぐ東・西二つの庁舎で、高さ12mの木製柱も組み込んだ鉄筋コンクリートと鉄骨の「ハイブリッド」構造が特徴だ。設計・監理は松田平田設計、施工は入交建設・田邊建設・郷田組JV(西庁舎建築)、和建設・生田組・松井建築JV(東庁舎建築)など9者が担当。2014年2月末の完成を目指している。


建設中のサイト
現場はJR窪川駅に隣接する。規模は西庁舎がRC一部S・木造3階建て延べ2998㎡、東庁舎がRC一部S・木造3階建て延べ2263㎡。両工区とも2012年10月に着工、ことし8月下旬に上棟を迎えている。
 林野が町域の87.1%を占めることもあり、町は木材利用に積極的だ。新庁舎の目玉の1つが、地元産材でつくった主柱だ。ヒノキを組み合わせた長さ約12mの柱を東西合わせ28本設置している。外観や内装だけでなく、主構造にまで木材を利用した庁舎建築は、全国的にもまだ例が少ない。
 東庁舎建築工事の現場代理人を務める和(かのう)建設の中町公彦氏は、「ハイブリッド建築を手掛けるのは初めて。社内はもちろん住民や地元メディアの関心も高く、やりがいがある」と話す。
 東西の庁舎は、地上3階部に設置するS造のデッキで接続する。完成後は線路をまたぐ自由通路として24時間開放する予定だ。デッキにつながる大階段と広場も整備する。利便性の向上だけでなく交流促進の面でも同庁舎に対する地元の期待は大きい。
 西庁舎建築工事の監理技術者・入交建設の前田隆一氏は「現場はこれからが最盛期。気を抜くことなく、最後まで無事故・無災害で完工させたい」と意気込む。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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