東京駅丸の内駅舎内に位置する東京ステーションホテルは3日、同駅舎の保存・復原事業の価値を広く伝えるため、工事に挑んだ職人と工事関係者のメッセージをまとめたウェブコンテンツをホームページ(http://www.tokyostationhotel.jp/)で一般公開する。
2011年のホテル開業準備室時に、ホテルスタッフが雨や雪の日もひるまず、職人たちが駅舎をつくっていく様を目の前にし、「彼らは駅舎完成後ここにはいない。彼らの想いを集め広く伝えることが、完成後の駅舎を使い続けていくホテルの使命である」と決断。保存・復原工事に挑んだ職人と工事関係者の想いを集約するプロジェクトを立ち上げ、ホテルリニューアル1周年の3日にウェブコンテンツで一般公開することとした。
ウェブコンテンツは、▽30人の職人のメッセージ▽職人の工事風景写真▽工事関係者の想いやプロジェクトの意義--などで構成。職人らのメッセージは、12年3月ごろに当時の開業準備室スタッフ約30人で工事現場事務所の朝礼台に立って募集した。銅板、レンガ、目地、石工、左官、漆喰、仮受けの職人らによる座談会を開き、忠実な復原のための作業、特に現代に伝承されていなかった伝統技法に挑んだ話も聞き取った。
また、副所長として07年12月から5年以上現場を管理した鹿島の上浪鉄郎氏を取材。駅舎保存・復原の設計監理総括として活躍したジェイアール東日本建築設計事務所丸の内プロジェクト室室長の田原幸夫氏と、JR東日本の工事管理担当者との対談取材も実施した。
東京ステーションホテルは、14年の赤レンガ駅舎100周年、並びに15年の東京ステーションホテル開業100周年を見据え、“色褪せることのない記憶"というブランドコンセプトの下、今後も同ホテルの歴史と生きた文化財である駅舎の価値を伝え続けていく。
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