2013/10/07

【建築】最優秀に竹中「旧桜宮公会堂」 空間デザインコンペ

日本電気硝子は3日、第20回空間デザインコンペティションの結果を発表した。最優秀賞は提案部門では東京理科大大学院の林拓真さん、土屋秀正さん、佐々木嶺さんの提案、作品例部門では竹中工務店の森田昌宏氏、野口伸氏、足立裕己氏による『旧桜宮公会堂』=写真=が選ばれた。

 同日の表彰式で林さんは「ガラスを使う難しさはあったが、そこで生じる境界やその認知について考えることができたのは貴重な経験になった」と述べた。ビデオレターで登場した森田氏は「光の質をコントロールするため床、壁、天井の6面をすべてガラスブロックにした。天井から入った光は拡散しながら室内を満たし不思議な無重力空間を作り出している」と設計意図について語った。
 審査委員長を務めた建築家の安田幸一氏は提案部門について「『ガラス見えるか見えないか』という難しい課題だったが、優れた提案が多かった。最優秀賞もガラスの面は消え去りエッジだけが光るというガラスの存在感を引き立てる美しい提案だった」と評価した。作品例部門については「歴史的な建物の中にガラスブロックをはめ込む、ガラスを真っ正面から扱った提案で審査員全員が絶賛した」と明かした。
 応募作品は提案部門が326点、作品例部門が127点。優秀賞は提案部門が片山豪氏(筑波大学大学院)、高松達弥氏(法政大学大学院)、丹下幸太氏(日本大学大学院)、細川良太氏(工学院大学大学院)による提案、作品例部門は高山正樹氏(エルトデザイン一級建築士事務所)、岩澤浩一氏(id一級建築士事務所)の「宮本商行銀座本店」が選ばれた。主催した日本電気硝子の井筒雄三会長は「今後もコンペを通じて製品市場の現状や今後の方向性について学びたい」と述べた。
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