東北地方最大の106万人が暮らす仙台市。その汚水処理の約7割を担う南蒲生浄化センターは、津波で構造物の多くが破壊され、設備の冠水などにより機能を失った。仙台市から復旧事業を受託した日本下水道事業団(JS)は、水処理施設を全面改築し、耐津波対策のモデル処理場としてリニューアルを進めている。そのメーンとなる災害復旧建設工事その9を担当するフジタ・鴻池組・丸本組・後藤工業・皆成建設JV(大西基成所長、フジタ)を筆頭に、1日当たり43万m3以上を処理する国内有数の規模の浄化センターをわずか3年半で復旧させるという前代未聞の工事に挑んでいる。
◇20万m3のコンクリ打設
門型クレーン |
昨年9月に本格着工したが、地元企業に別途発注された解体工事の工期が11月から3月に延長されたことや基礎地盤の改良が大幅に増えたことで、躯体構築に着手できたのはことし4月上旬だった。大西所長は「受注当初から、解体工事を早く完了させることが、全体工程短縮のポイントと考え、それに関係する仮設工法の変更に全力を注いだ」と振り返る。
週に1度開かれる仙台市、JSとの工程調整会議の場で工期短縮に資する提案を次々と打ち出した。「設計変更を重ねた結果、遅れを取り戻しつつある。コストをかけずに工期を短縮する提案が通りやすく、作業所長としてやりがいのある現場だ」と語る。
◇ウルトラディープウェル工法
コンクリ打設は20万立方メートルに及ぶ |
また、設計時から2倍にボリュームが膨らんだ基礎地盤改良工も当初の「バックホウ混合」から「パワーブレンダー工法」に、鉄筋の溶接も「ガス圧接」から「機械式継手」へと変更し、場内には鉄筋加工専用ヤードを設けている。
◇全国から職人集結
現場の看板 |
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