2013/10/17

【復興版】東洋一の魚市場を再建 石巻市がCM方式で本格着工

石巻市場の完成予想
宮城県石巻市がCM(コンストラクション・マネジメント)方式で整備する水産物地方卸売市場石巻売場建設事業が16日、CMR(コンストラクション・マネジャー)を務める鹿島の施工で本格着工した。3棟を5工区に分割し、東工区と中央1工区は2014年7月末、西1工区は15年3月の竣工、同6月末の全体完成を目指す。
 同市は東北地方最大の水産都市で石巻漁港には200種を超える多種多様な魚種が水揚げされ、10年の水揚高は全国3位だった。さらに漁港背後地には、国内有数の水産加工団地が形成され、地域の基幹産業を担っていた。

 東日本大震災の津波で漁港や卸売市場、工場などの施設が壊滅的な被害を受けており、基幹施設となる卸売市場を再建することで、水産業全体の再生を図る。
 規模はS造4階建て3棟総延べ4万6968㎡を想定。県内初となる高度衛生管理型荷さばき所を魚種別に整備。上屋長さは“東洋一の魚市場"と呼ばれた旧施設の1.4倍に当たる約880mになる。このほか、防災機能や観光機能なども備える計画だ。基本設計は漁港漁場漁村総合研究所、実施設計は横河建築設計事務所が担当した。
 建設地は同市魚町2-14。
 この日の神事には、亀山紘市長、赤沼聖吾鹿島専務執行役員東北支店長ら約60人が出席。代表者が鍬(くわ)入れした後、神前に玉ぐしをささげ、工事の安全を祈った。
 この後、あいさつに立った亀山市長は「基幹産業の中核を担う施設の再建事業であり、多岐にわたる復興事業全体をけん引する役割を期待している」と語った。赤沼支店長は「CMを的確に運用し、透明性を確保しながら、地元企業に優先的に発注していく。漁獲したものの価値をより高められる施設を安全第一に完成させたい」と応じた。
*   *
 岡野春彦所長の話「仮設荷さばき所に配慮しながら、各工区を順序よく引き渡していきたい。水産業界だけでなく市民の関心が高い施設だけに安全に留意して施工する」
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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