2013/10/28

【土木】阪神高速が「トンネルがっこう」を開校! 開削トンネル造る過程を体験

阪神高速道路会社は21、22の両日、沿線小学校を対象とした現場見学会「大和川線トンネルがっこう」を開いた。2011年度にスタートし、今回が3回目となる。22日は堺市立三宝小学校の5年生134人が堺市内の現場を見学した。トンネル内を現場教室とし、測量や土留め壁の実験などを体験した=写真。

 大和川線トンネルがっこうは、近隣の小学校高学年を対象に実施している。今回も含めて計4校に対して実施した。21日には同校の6年生151人が見学した。建設事業本部堺建設部の藤井康男大和川線建設事務所長は「事業を見てもらうとともに、土木技術を知ってもらうことが狙い」と説明する。134人は4班に分かれ、大林組・前田建設工業JVが施工する「三宝第4工区(その1)開削トンネルおよび換気所新築工事」を見学した。阪神高速道路会社と施工者が協力して、説明に当たった。
 測量体験ではトンネルの幅と高さ、距離を測った。距離は光波測距儀を使った。光波測距儀を使用すれば、1mm単位で即時に計測できることを紹介した。土留め壁の実験では、土留め壁と切り梁を組み合わせ、開削トンネルを造る過程を体験した。質疑応答では「土留め壁はどのように地中に埋めるのか」などの質問が出た。
 最後に藤井所長は「造っているところを見られたのは貴重な経験であり、特にトンネルは完成後に見えなくなってしまう。トンネルは皆さんの生活を支えており、これを機会に興味を持って見てもらえればうれしい。この中から、一緒に土木を仕事にする人が出てくることを期待している」と締めくくった。
 阪神高速大和川線は全長9.7㎞で、このうち0.6㎞はことし3月に開通した。工事の特徴は7割をトンネル部が占め、残りの2割が土工、1割が橋梁となっている。工事は13工区に分けて進めている。現在の進捗率は9月末で67.35%。本線の開通は16年度末を目指している。
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