2013/10/03

【復興版】国際コンペの可能性も 東北地整が石巻市南浜「復興祈念公園」計画

1日の有識者委員会
東北地方整備局は1日、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市の南浜地区への復興祈念公園整備に向けて、有識者委員会(委員長・涌井史郎東京都市大環境学部教授)を設置した。委員から同公園整備の理念や施設計画、ゾーニングなどに対する意見を聴取するとともに、市民フォーラムなどを通じて市民の要望を聞き取り、2014年3月までに基本構想を策定。14年度に基本計画をまとめ、15年度から設計に着手する予定だ。20年度の整備完了を目指す。

 石巻市役所で開かれた初会合では、同整備局の岡本裕豪建政部長が「復興祈念公園が犠牲者の追悼・鎮魂や、復興の姿を国内外に力強く発信していく場となるよう、積極的な提案をお願いしたい」とあいさつした。
 南浜地区は、被災自治体のうち死者・行方不明者が約4000人と最も多い石巻市の中でも犠牲者が集中した地域。同市の震災復興基本計画には、犠牲者の慰霊や震災の教訓を後世に伝承する場として約48haの公園整備が盛り込まれている。
 委員からは「公園に防災機能を持たせてほしい」「他の自治体に整備される復興公園と連携する仕組みを考えるべきだ」「大人だけの考えではなく、子どもたちの視点を盛り込んでほしい」といった意見が出された。
 また、今村文彦東北大教授からは「具体的なプランをつくる際は、国際コンペで幅広くアイデアを求めてほしい」との提案があった。
 復興祈念公園は、岩手県陸前高田市の高田松原地区にも整備する計画があり、9月26日に同じく有識者委員会が設置されている。
 両公園の基本構想検討調査業務は、岩手がオリエンタルコンサルタンツ・URリンケージJV、宮城はドーコン・オオバJVが担当している。
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